初主演映画「夜空はいつでも最高密度の青色だ」(石井裕也監督)で新人賞を受賞した石橋静河(23)は「自分の周りにいる家族、スタッフ、見てくれた人のおかげ。映画は1人で作るものでないと実感しました」と感激した。

 母の原田美枝子(59)も1976年(昭51)に「大地の子守歌」、「青春の殺人者」で新人賞を受賞している。司会の大竹しのぶから「美枝子ちゃんと17歳の時に共演した。お母さんは何かおっしゃいました?」と聞かれると「おめでとう…と」と明かした。父の石橋凌(61)と原田との次女と見られることに幼い頃から葛藤があり、映画の公開時には「小さい頃は、1番やりたくないことは女優、お芝居することなんて、死んでもやらないと思っていた」とも語っていたが、この日は素直に母のことを語り、笑みを浮かべた。

 4歳からクラシックバレエを始め、09年から米ボストン、カナダのカルガリーにダンス留学。13年に帰国してコンテンポラリーダンサーとして活動する中で、演技に興味が芽生え、15年に女優業に進出した。大竹から、女優になったのは母の影響かと聞かれると「大変だなぁと思って、やりたくなかった。留学していて、帰ってきて日本の映画を見た。『面白い。こういう人に出会いたいと思った』」と答えた。

 「夜空はいつでも最高密度の青色だ」では、昼は看護師、夜はガールズバーで働きながら不安と孤独を抱えている美香を演じた。池松壮亮(27)演じる建設現場で働く慎二と出会い、東日本大震災後の息苦しさを感じる東京の空の下で、互いに率直な思いをぶつけ合う男女の姿は多くの感動を呼んだ。撮影について聞かれると「現場で何をしなければいいのか分からず、ただ、ひたすら困って辛かった。つらいのが楽しくなった」と振り返った。

 大竹とともに司会を務める松山ケンイチは、大竹からデビュー当時について聞かれると「学園ドラマをやったんですが、初めてなので何も分からなかった。1時間のドラマ、何で1時間で撮れねぇんだと思った」と言い、客席を笑わせた。