先月21日に急性心不全のため66歳で死去した大杉漣さんが出演予定だった日本テレビ系紀行番組「アナザースカイ」(金曜午後11時)が2日、放送された。

 冒頭で司会の今田耕司(51)が中条あやみ(21)と並び、黒の礼服姿で登場した。「『アナザースカイ』では1月中旬に大杉漣さんのロケを行い、本日はそのVTRを大杉さん本人にご覧いただく予定でした。ご家族、所属事務所と相談した結果、今夜はそのVTRを大杉漣さんに届けたいと思います」と、放送に至った経緯を説明した。

 ゲストが、自分の思い入れある土地を訪れ、思い出などを語る番組。今回の舞台は7年前に住んだことのある韓国だった。今田は「ロケでは役者生活のこだわり、人生の転機を赤裸々に語られています。皆様、今夜は俳優大杉漣さんの熱い生きざまをぜひご覧ください」と紹介した。中条は冒頭部分ではコメントせず、目に涙をためているようにも見えた。

 大杉さんはVTRの中で死生観も明かしていた。20代から役者生活を送った「転形劇場」の主宰で、盟友でもあった劇作家の太田省吾さんが亡くなったのが67歳。今年9月には自分が太田さんと同い年になるはずだったということもあり、「すごくリアルに考えなきゃいけない死というものがある。僕は死にたくないと思わないし、といって死にたいとも思わない。死ぬってことが分かっているだけであって、死ぬまでの間に俳優としてどれだけできるかってことは分からない」と語っていた。