ピン芸人日本一を決める「R-1ぐらんぷり2018」で優勝した盲目のお笑い芸人、浜田祐太郎(28)が9日、地元の関西へ戻り、大阪市内で、優勝報告の取材会に臨んだ。

 兵庫県内の視覚特別支援学校で学び、12年4月に、吉本総合芸能学院(NSC)へ入り、芸歴5年目での栄冠。“原点”の大阪へ戻り、“原点”の夢を口にした。

 「いまだ優勝が信じられなくて、取材でも、申し訳ないんですが、ずっと『ひとつひとついただいた仕事を全力で』と言ってきて、今もそれは変わらないんですけど、でも、芸人2年目ぐらいまで、何も知らなかった頃、『20年ぐらい続くトーク番組をやれるようになりたい』と思っていたことを思い出しました」

 優勝後、あこがれの明石家さんまの番組「さんまのまんま」に出たい、などと、夢も口にしてきたが、もともと抱いていた「大きな夢」を、地元へ戻ってきて、思い出したという。

 「芸人としてやってくる中で、そんなの無理やろ? と封印してたんですけどね」と照れ笑いしながら話す。左目は見えないが、小学時代には右目は「視力0・01か0・02ぐらいはあった」と言い、当時、ビッキーズ、ハリガネロックにあこがれ、お笑いの道を考えた。

 「中学の頃には、本気でお笑い芸人になりたいと思うようになっていて、母には言いましたが、真剣にはとらえられなかった。学校時代の友人にも、夢は言うもんじゃないと思って、伝えていなかった」

 マッサージ指圧師、はり師などの資格も持ちつつ、NSCへ。今大会の決勝で、頂点を争ったゆりやんレトリィバァ(27)と同期でプロ芸人になった。

 しゃべり1本で勝負する漫談家として、同期や仲間との争いを勝ち抜き、若手選抜が出演する「よしもと漫才劇場」へは昨年6月から出場権を得た。

 R-1では、同じしゃべり芸の落語家、桂文枝(74)からの高評価も得て「それは純粋にうれしい。(落語の世界に)お声かけいただけば、挑戦するかもしれません」とも話した。

 芸人を志すきっかけになった「ビッキーズ」は解散し、すっちーは吉本新喜劇の座長として活躍する。吉田裕を“相方”にした「乳首ドリル」は、大人気だ。

 報道陣から「白杖を棒に代えて乳首ドリルをすることも夢?」と、ぶっ飛び質問も上がったが、これにも「お客さんが笑ってくれるならやりたい」と即答。「すっちーさんは、やりにくいかもしれないですけど、もし、共演できたら、どんどんいじってほしい」と話していた。

 浜田は10日、本拠地の「よしもと漫才劇場」へ凱旋(がいせん)出演する。