女優夏川結衣(49)が25日、都内で行われた映画「妻よ薔薇のように 家族はつらいよ3」(山田洋次監督)の初日舞台あいさつで、同作の撮影に向けたフラメンコの特訓を思い出し、涙する一幕があった。 山田監督が「家族」を描く喜劇作品で、夏川は一家を支える専業主婦の史枝を演じた。史枝は若い頃にフラメンコを習っており、劇中では夏川が実際にフラメンコを披露している。

 夏川は「『踊っている女性が振り向いたら史枝になる』と台本に書いてあったので、合成かと思っていました。慌てて練習しました。監督には(台本を)書く前に一度ご相談いただきたい」とやや不満げ。ダンス経験などなかったため、かなり苦労したという。

 この日は初日を祝して、夏川にフラメンコを教えた佐藤浩希氏がダンサーとともに会場に駆けつけ、フラメンコを披露した。あまりの迫力にあっけにとられるキャスト陣だったが、夏川はなんと涙。「思い出すだけで涙が出ます」と、1カ月の猛特訓を振り返っていた。

 一方の佐藤氏は「撮影前、監督から『彼女は頑張っているかい?』と聞かれて、『すごく筋がいいですよ』とうそをついてしまいました」と謝罪。山田監督は「まあ、かわいそうに」と素知らぬ顔だったが、夏川は「監督が(台本に)書くから!」と困り顔だった。

 舞台あいさつには、橋爪功、吉行和子、西村まさ彦、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優と、一家を演じたキャストが勢ぞろいした。