映画「日日是好日(にちにちこれこうじつ)」(大森立嗣監督、10月13日公開)の完成披露イベントが31日、京都・建仁寺で行われ、主演の黒木華(28)、樹木希林(75)らが出席した。黒木らは同寺の和尚がたてたお茶を受け取り、日本に喫茶の法を普及した「茶祖」といわれる栄西禅師のもとに奉納する献茶式を行った。

 茶道教室に通い続けた約25年の日々をつづっている森下典子氏のエッセー「日日是好日-『お茶』が教えてくれた15のしあわせ-」を映画化。黒木は自宅近くの茶道教室に通い始める女子大生・典子を演じる。茶道教室の武田先生役を樹木が演じる。2人は初共演となる。

 鷺(さぎ)をデザインした着物姿で登場した黒木は「献茶式は初めて。映画がヒットするといいなと思いながら奉納しました」と笑顔で見せた。あでやかな姿に「お見合い写真を撮っておこうかな」と笑った。

 お茶の先生役の樹木は「また地球上に生まれてくることがあれば、小さな茶室を設けて、夫と向き合い、静かにお茶をたてながら人生を送る。そういうことをしてみたいと、お茶を体験してから思いました」としみじみと話した。

 是枝裕和監督の「万引き家族」では“家族”に年金を当てにされる貧しい老人、「日日是好日」では、街で茶道を教える上品な女性を演じる。「『万引き家族』では、貧乏な姿でおりましたのでね。えらい寒くて」と振り返り、今作では「暖かいところでいさせていただいて、いろいろな人生があるものだなと。つくづく幸せなものだなと感じております。とてもいい思い出になった映画でした」と話した。

 全国各地で猛暑日が続くが、自身の体調について「(昨年12月の撮影から)10キロやせて、7センチ縮んで」と明かし、「人間はこんなふうに縮むもんだなと、おもしろく自分の体を見ています。どうぞみなさま、お体には気をつけて」と呼びかけた。