吉田羊と太賀(25)が親子を演じる映画「母さんがどんなに僕を嫌いでも」(御法川修監督、11月16日公開)の完成披露試写会が30日、都内で行われた。

幼少期に母親から虐待を受けた青年が、それでも母の愛を諦めず過去と向き合い、やがて奇跡を起こす姿を描いた作品。太賀は「はたから見たら壮絶な人生。悲しい物語をピックアップするだけでなく、どう乗り越えていくか、力強さなどが描かれています」と見どころをアピールした。

映画のために書き下ろした主題歌「Seven Seas Journey」を歌うゴスペラーズがサプライズで登場し生歌を披露すると、会場の空気はガラッと変わり、しっとりとしたムードに包まれた。

目の前で圧巻のゴスペルを堪能した太賀は「やばかったっす。完成披露試写会でこんな気持ちになったのは初めてです」と興奮冷めやらぬ様子。吉田は「私もそう思ってたの。やだ、泣いちゃう」と、天井を見上げてこぼれそうな涙を必死にこらえていた。

御法川監督は、「ゴスペラーズの皆さんは原作や完成した映画を見て、たくさん候補曲を作ってくれました」と明かした。「映画を盛り上げるために人気アーティストが主題歌を担当するのはお決まりだけど、こんなに愛情深く主題歌を作っていただけたこと、光栄に思いながら感謝しています」と、主題歌に並々ならぬ思いで取り組んでくれたゴスペラーズに感謝を伝えた。

主題歌を作詞、作曲したゴスペラーズ安岡優(44)は「この映画には愛されること、愛すること、両方が描かれています。どちらも1人ではできず、相手がいて初めてできることで、その難しさも美しさもある。決して1人では歌えない歌い方でこの歌を歌わせていただけたのが光栄でした」と謙虚に話した。