俳優東出昌大(30)が7日、東京・新宿の紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAでこの日開幕する主演舞台「豊饒の海」(来月2日まで、その後大阪公演あり)の初日前会見に臨んだ。

三島由紀夫が割腹自殺を遂げる直前に書き上げた最後の長編小説「豊饒の海」をマックス・ウェブスター氏演出、長田育恵氏脚本で舞台化したもの。1人の男が輪廻転生してその“生まれ変わり”として登場する大河小説で、「春の雪」「奔馬」「暁の寺」「天人五衰」の4部からなる。

芸能界きっての読書家としても知られ、当然この作品も読んでいたという東出は、3日間のプレビュー公演を経て「作品を全く汚すことなく舞台で表現できる、という思いは確信となりました」と自信をつけた様子。長編小説をコンパクトな舞台脚本にまとめ上げた長田氏の手腕を高く評価し、「舞台に触れてこなかった方にも魅力が分かると思う」とアピールした。

共演の宮沢氷魚(24)上杉柊平(26)大鶴佐助(24)首藤康之(46)笈田ヨシ(85)も会見に出席した。

舞台2作品目となる宮沢は「4作を舞台化すると聞いて、『こんな無謀なことを…』と思いました」と笑わせつつ、「20代で三島作品を読んでも、怖くて携われない、なかなか触れられないと思うけど、この年齢でこの作品に挑めたのは人生において貴重な経験。若い世代にも三島の生きざまを体験してほしい」と話した。

生前三島と交流のあった笈田は、「命日の月に芝居をさせてもらえるのは、なんとも言えない感無量です」と感慨に浸った。