米女優アンバー・ハード(32)が、家庭内暴力(DV)を理由に2016年に俳優ジョニー・デップ(55)との離婚を申請したことが原因でハリウッドの「ブラックリスト」に名前が載せられ、仕事を干されたと米ワシントン・ポスト紙への寄稿文で明かした。

寄稿文でハードは「出演予定だった映画は別の人がキャスティングされ、世界的なファッションブランドとの2年間のキャンペーン広告を契約して撮影もしましたが、降板させられました。友人や助言者からはもう二度と女優の仕事はできないだろうとも言われました」。昨年公開された映画「ジャスティス・リーグ」と21日に公開予定の「アクアマン」への出演も危ぶまれていたというが、主人公アクアマンの恋人となる重要な役どころメラを見事に演じ、女優としての存在感をアピールすることに成功した。

ハードはさらに、デップへのDVを告発したことで殺しの脅迫も受けたと明かし、「毎週電話番号を変えなければならなかった」とコメント。離婚騒動後は外出時には常にカメラ付きのドローンやパパラッチに追いまわされ、タブロイドにはネガティブなイメージの記事が踊り、「公共の意見を聞く裁判にでもかけられているかのような気分だった」と振り返った。「暴力について自ら語る女性がより多くの支持を得られるようにしたい」と自身の体験をつづった理由を明かし、法律や社会基盤を変えるために共に闘おうと呼び掛けている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)