2018年のテレビドラマ界。その目玉となったのが、4月期のテレビ朝日「おっさんずラブ」だ。平均視聴率4%。数字的には失敗作といわれる水準でありながら、感動コメディーがSNSで社会現象化。ツイッターの世界トレンド1位、流行語大賞、映画化決定など、半年たった今も圧倒的な話題性を放っている。

ツイッターで見知らぬ人と話題を共有しながらドラマを見る時代に、SNSは最も有効な宣伝ツールとして各局がアイデアを競っている。放送前にファン向けの一般試写会を行って感想をつぶやいてもらったり、「ぎぼむす」(義母と娘のブルース)、「けもなれ」(獣になれない私たち)など、タイトルを4音化して話題拡散に直結させようとする試みはもはや日常。今年も「今日から俺は!!」(日本テレビ)や「中学聖日記」(TBS)など、SNS人気から視聴率を押し上げた例は多い。

そんな中、ツイッター社発表の年間人気アカウント1位に輝いたのが、やはり「おっさんずラブ」だ。“春牧”(春田と牧)のいちゃつきオフショット動画など凝った動画をせっせとアップし、撮影現場の写真も満載。ファンを喜ばせたのはもちろん、写真に見切れていた冷蔵庫を見たシャープ公式アカウントが「これだと思うのです」と大喜びで自社製品をアップしたりと、多方面への広がりをみせた。

インスタグラムでは、物語と連動し、黒澤武蔵部長(吉田鋼太郎)が「武蔵の部屋」を開設した。春田の写真を山のように隠し撮りしている部長が「こっそりここに投稿してゆきます。温かく見守ってほしいお」と乙女な日記をつづり、フォロワーが44万人を突破。投稿の数々が公式グッズ「はるたん日めくりカレンダー」として発売されている。