デビュー10周年の歌手・走裕介(45)が6日、札幌市と沖縄・金武町(きんちょう)の観光大使に同時に任命された。

この日、同市内で開催中の第70回さっぽろ雪まつり特設ステージでライブを行った際に、任命式に臨んだ。北海道と沖縄のW任命は珍しく、走が所属する老舗委レコード会社・日本コロムビアの歌手では史上初めてという。走は「責任を感じます。一生懸命務めたい」と話した。

走は北海道網走市生まれ。網走観光大使、オホーツク観光大使、にしん街道観光大使、美幌観光物産大使とすでに4つの観光大使を務めており、今回の札幌と金武町で計6つ目の肩書となる。

道産子だけに道内でも積極的に活動を続けている走が、札幌観光大使に推薦されたのは分かるが、沖縄本島中部の金武町は意外。任命式に訪れた仲間一町長(64)は「金武町は(米軍の)基地の町だが、Jリーグのコンサドーレ札幌のキャンプ地で、今年の高校総体の男女サッカーの主会場にもなる。海岸整備など観光開発を積極的に進め、数年後には大きなホテルも進出する。走さんはその初代観光大使で、ぜひ金武町をアピールしてほしい」と話した。

仲間町長によると、昨年、観光行政を推し進めるために町役場に初めて商工観光課が設立され、観光大使の選任を始めた。その過程で、デビュー10周年で認知度が増した走の存在が浮上。同時期に走が札幌の観光大使になるという情報を得て、コンサドーレ札幌とともに北の南の懸け橋になってほしいと、白羽の矢が立ったという。仲間町長は「年末の紅白歌合戦に出演できるよう、町を挙げて応援したい」と話した。

ライブで10周年記念曲「春待ち草」「昭和縄のれん」などを歌った走は「これを機会にもっともっと多くの人に歌心を届けたい。北と南の懸け橋になれれば、日本列島全部をつなぐことにもなると思っています。頑張ります」と誓った。