イベントプロデューサーや俳優などマルチに活動する小橋賢児(39)が12日、都内で行われた映画「Noise ノイズ」(松本優作監督、3月1日公開)の完成披露舞台あいさつに出席した。

07年の活動休止以降、洋画ではいくつかの出演があったが、邦画に出演するのは06年以来13年ぶりとなった。

「3カ月くらいインドを放浪していた最後に4000メートル級の高地で、マイナス20度くらいのところで寝袋で寝ていたんです。その時に『役者をやりなさい』というメッセージが下りてきた」と笑いながら明かした。「その時は気のせいかと思っていた」が、1週間後に帰国するとかつて映画を撮った時の関係者から「若い監督が映画を撮ろうとしているから出てほしい」とオファーがあった。「あれ、山の上で言われたんですけど」となり、“啓示”がきっかけだったことをほほ笑みながら話した。

その後、松本監督と話し、「実体験を元に、リアルなものを、魂を込めて作ろうとしている姿に心打たれて、どんなかたちでもいいから関わらせていただきたいと監督に僕から言った」と話した。

小橋は「毎度見るたびに3度泣くくらい魂が震えます。作品から伝わるエネルギーがすごい」と絶賛し、「僕自身短編映画を作ったことがありますが、作っても広めるのが大変なんです。ここからさらに広めるために、役者以上の仕事もしていきたいです」と語った。

この日、松本監督ほか主演の篠崎こころ(25)安城うらら(24)鈴木宏侑(35)ほか総勢11人が登壇。

3人は初主演となる。篠崎は「演技も初めてで不安もあったけど、監督と話しているうちに役の心情も理解できていった。監督も私の人生を聞いて台本を書き換えたりしてくれたので、私の人生も入った作品です」。安城は「芸能界に入って3カ月くらいだったので、何がなんだかよく分かっていない状態でした。パニック状態でしたが、監督から『ありのままでいいよ』と言われて、自分が思ったことを素直にやることを心がけていきました」。鈴木は「僕はもともとスタッフでしたが監督の話を聞くと、自分にも重なる部分があって、松本監督を演じればいいと感じました。だから、難しいことを考えずに監督を演じました」とほほ笑んだ。

同作は、秋葉原無差別殺人事件からの10年後を描いた社会派作品。本作が初監督となる松本監督は「秋葉原事件と同時期に友人が自殺してしまい、当時15歳の自分には、全く反対の事ですがリンクしてしまいました。その後、何をやってもうまくいかない苦しい状態に陥り、この映画を作らないと僕自身生きていけないんじゃないかというような状態で作った映画なんです」と明かした。「今を苦しんでいる人たちに見てほしいです」とアピールした。