お笑いコンビ「スーパーマラドーナ」の武智正剛(40)が14日、騒動を巻き起こした「M-1グランプリ」への思いと償いを語った。

武智はこの日、クールジャパンパーク大阪SSホール行われた「即興」がテーマのエンタメショー「THE EMPTY STAGE」に出演。ひとりしゃべりと即興コントショーの2部からなる公演で、ひとりしゃべりを担当した。

冒頭では「僕にフリートーク、させるなんて…」と、いきなり自虐で笑いを取り、客席と質疑応答形式で約40分間、しゃべり続けた。武智は、昨年末にコンビで出場した「M-1グランプリ2018」決勝の審査を巡り、SNS上で審査員の上沼恵美子に暴言を吐き、騒動となった。

この日は最初の話題で、騒動を「あの件」と表現し、切り出した。

「あろうことか、絶対にやってはいけないことをしてしまった。お酒の度が過ぎまして、審査員さんに悪態をついてしまった」と、改めて謝意を述べた。

騒動後は自身のツイッターに「死ね」や「アホ」といった誹謗(ひぼう)中傷が6000~7000件、解放していたDM(ダイレクトメッセージ)を合わせると約2万のメッセージが来たと明かした。

「SNS…怖いですよ、ほんとに…」と当時を振り返り「あの騒動があった時に、ほんまはあかんことですけど、起こった2、3日目とかは何でもええからすごいこと起きてくれって。なんか起こって(騒動が)消えてくれって思った」と、心境を告白した。

「1カ月くらい毎日、なんかのニュースには載ってました。すごかった。あんなことを体験することももう、無いでしょう」と、事の大きさを再認識していた。

質問で「いま一番、M-1のことを思ってる芸人は誰ですか?」と、聞かれると「オレや!」。即答に笑いと拍手が起きると「申し訳なさも込みでね」と付け加えた。

「もちろん、上沼さんに一番、申し訳ない」としながら「Mー1グランプリという、僕らを窮地から救ってくれた大会に対して、なんていうことをしてしまったんだろう」。出場資格である15年目のラストーイヤーで臨んだ昨年末の大会。事前から大会にかける思いを熱弁していた武智に番組スタッフも触発され、オープニングムービーの最後は自分の映像が使われていたという。

「すごい僕によくしてくれてたのに。『なんであんなことをしたんや』という後悔の念がすごいあります」。反省に続けて「これからいろんな形でMー1グランプリに償っていけたら」とも語った。

予選のMC業務から「(大会に)出てくれと言われたら出ますし」とも笑わせた。「失格になってもいい」と、熱い思いは変わっていない。「これだけM-1に悪いイメージを与えてしまった。ちょっとでも返して行けたら」と、償いの気持ちを示した。

相方の田中一彦(41)が自己最高の準決勝まで進出した「R-1ぐらんぷり」について、見ていたかを問われると、「もちろん見ました」。田中は、騒動を起こした相方をイジリ倒すネタで勝ち上がったが、実は武智がそのネタを書いていたと明かし「あんなやつ(田中)自ら志願して出るわけないでしょ。めちゃくちゃ(出場を)イヤがってましたよ」。

武智とマネジャーが、騒動に絡めて田中に出場を勧めたと話し「また来年、僕が変な事件を起こしたら、それをネタに田中に出てもらおうかなと思います」と、笑いを誘った。

「(もう)SNSは投稿しないんですか?」との質問には「インスタが今、一番できないんですよ」。ライブの告知などで役に立つというSNSだが「やった瞬間、ネット民たちが心ない言葉で傷つけてくると思うと悩むとこもある」と苦笑い。それでも「たぶん今後はやっていくと思う」と、復活を示唆していた。