演歌歌手坂本冬美(51)が29日、都内で、バースデーコンサートを行った。30日が52歳の誕生日。93年に亡くなった恩師の作曲家猪俣公章さんの生誕80周年を記念したアルバム「ENKA3」を昨年12月に発売。この日は、アルバム購入者からの2500通以上の応募から選ばれた75組150人を招待した特別ステージだった。

「こうやって元気に誕生日を迎えられることは幸せなこと」。デビュー33年の感謝の思いを語り、「明日で52歳になっても歌を愛する気持ちは変わらない」と、演歌界をけん引する坂本らしく熱く語った。

ステージでは、猪俣さんの内弟子の後輩になるマルシア(50)がゲスト参加。アンコールでアルバム収録のデュエット曲「大阪ラプソディー」を歌唱した。

坂本が「私は主旋律しか歌えないけど、マルシアはハモリができる。バッチリです」とデュエットの出来栄えに満足すれば、マルシアも「よい化学反応が起きて気持ちよいです」と応じた。

坂本によると「実は2人ともにおいフェチ」だという。「いつもいいにおいがする」というマルシアは以前、坂本にアロマとボディークリームをプレゼントしてくれた。「すごくいいにおい。今日、お風呂上がりのカサカサの肌に、もらったクリームを塗ってきた」と、背中が大胆に開いたドレスを着ながら誇らしげだった。

この日は誕生日プレゼントとして香水を贈られた。「今までは吉幾三さんと同じ香水を使っていたんです。これでようやく変えられる。女子力がアップします」。

内弟子時代、坂本は猪俣さんの運転手もしていた。駐車場で高級車ベンツをガリガリこすったり、サイドブレーキを引いたまま高速道路を走った失敗談を持つ。マルシアも「生まれ育ったブラジルでは年末の大掃除で何でも捨てる。先生の家の冷蔵庫にあった燕の巣やキャビアなども全部捨てたら、すごく怒られた」と思い出話に花を咲かせた。

坂本は「2人の共演を先生もきっと喜んでくれている」。天国の恩師に思いをはせていた。