俳優水谷豊(66)が6日、埼玉・MOVIXさいたまで、監督・脚本を手がけ自らも出演する映画「轢き逃げ-最高の最悪な日-」(10日公開)ドルビーシネマ先行上映会に出席した。

水谷の監督作は、昨年公開の主演映画「TAP THE LAST SHOW」に続き2作目。同作の誕生のきっかけは前作終了直後、関係者から水谷監督サスペンスを見てみたいと言われたことだった。「その話をした2日後に出てきたアイデアなんですが、すらすら書けた」とほほ笑んだ。

最初の監督作品は出演が条件だったというが、「今回は『出なきゃダメですか』ってきいた。そうしたら『出てください』って。監督だけは信頼がないんですよ」と話し、会場を笑いに包んだ。同作では、被害者の父親役を演じている。

同作は、従来の映像よりも明るさの幅を表現できる最先端映像技術「ドルビービジョン」を用いた日本初のドルビーシネマで、国内で上映できるのは現状、同所と博多の2カ所のみ。日本のドルビーシネマ第一人者であり、テレビ朝日系人気ドラマ「相棒」シリーズでもタッグを組む会田正裕氏が撮影監督を務めた。

同席した会田氏によれば、「映像の明るさが今までの2倍ある。真っ暗から2倍の明るさを使えるので、臨場感、没入感が違う。今までの映画ではできなかったことで、監督の伝えたかった世界を伝えられた」と胸を張った。ドルビーシネマの仕上げができる施設は国内になく、米・ハリウッドで仕上げた。

水谷は「映画に行くのは別世界に行くみたいな気持ちになれる。日常ではない、違う世界に行くのが今に至ってもとてもうれしくて。それがドルビーシネマで、さらなる進化した別世界にいける時代だというのが、携わっている者としてうれしいです」と話した。