フリーアナウンサー幸坂理加(30)が、4月からTBSラジオ「ACTION」(月~金曜午後3時30分)のアシスタントを務めている。95年から24年間続いた「荒川強啓 デイ・キャッチ!」の後番組。月曜からパーソナリティーが日替わりの中、唯一通しで出演する。

パーソナリティーの顔ぶれが個性的すぎる。月曜から脚本家宮藤官九郎(48)ミュージシャン尾崎世界観(34)Creepy NutsのDJ松永(28)芥川賞作家羽田圭介(33)ライター武田砂鉄(36)という豪華な濃いメンツ。幸坂は「大変でしょうと言ってくださる方が多いんですけど、そんなことは全然ありません。皆さん、お忙しい方ばかりですが、器が大きくて優しいんです。やりやすいと言ったらおこがましいんですけど、本当に毎日、楽しくお話を聞きに来ているようで申し訳ない。毎日、別の番組みたいな感じで、勉強になります」と笑顔を見せる。

3月までは故郷の秋田放送のアナウンサー。30歳を迎えて、自分を見つめなおすために退社、就職活動に励んだ。「フリーアナと言うより白紙の状態で、お花屋さん、ペットショップといろいろな可能性を試してみました。でも、やっぱり私にはアナウンサーの道しかないと思うようになってきました」と振り返る。

就職活動のために上京して、木曜日に現在所属する生島企画室の生島隆社長を紹介された。「土曜日に連絡があって、翌日の日曜日に急に空きが出たからと受けたのが『ACTION』のオーディションでした。正直、落ちたと思ったんですけど、ありがたいことにお声をかけていただきました。私、運だけで生きてきたんですよ」。アシスタントを務めることが決定してから、しばらくして番組内容と日替わりキャスターの顔ぶれを伝えられた。「ガッチリとしたニュース番組かと思っていたんですけど、とんでもないところに来てしまったと気が付きました(笑い)。能力が追いつくように頑張らなくてはと、気を引き締めました」。

大学時代を東京ですごし、故郷の秋田で就職した。「秋田放送もアナウンサーを1人だけ採る予定だったのに、補欠のおまけで入れてもらいました。本当に運だけなんですよ。それも大事だとは思いますが…」。秋田放送の先輩だった元フリーアナウンサーの伊藤綾子さん(38)に憧れて、アナウンサーを志した。「小さい頃から伊藤綾子さんのお天気予報を見て育ったので、ちょっと秋田放送も受けてみるかくらいのきっかけ。今考えると、おこがましい」と笑う。

秋田放送時代は、なんでもやった。「記者職も兼ねていたので、カメラマンさんと2人で、雪山でもどこでも取材に行きました。東京に来て、ロケのスタッフが10人くらいでビックリしました。パーソナリティーを務めたラジオの番組も、自分で編集していました。VTRの編集も、ちょっとなら出来ます。髪のセットも自分だったから、東京でメークさんが付いたときは感激しました。今思うと、秋田放送にはいろいろやらせていただいて、育てていただいたと感謝しかありません」と言う。

猛獣のようなメンツを相手に「ポンコツと思われないように頑張るだけ」と言う日々だが、8年ぶりの東京でカルチャーショックもある。「秋田ってTBSがネットされてないんです。平成のドラマを振り返る番組を見ていて『半沢直樹』も『逃げ恥』も分からなかった。秋田にいる時、バラエティーで『倍返しだ!』って言って笑ってるのを見て、なんのことなんだろうと。恋ダンスも分からなかったし。今は毎日が新鮮で楽しいです」と笑う。

まだ、番組開始から1カ月半足らず。「秋田時代、スポーツの取材も担当していたんです。だからスポーツに、もう1度携われればと思っています。スポーツと、人の力になれる報道番組が夢です」。新時代を令和を迎えて夢が広がっている。【小谷野俊哉】

◆幸坂理加(こうさか・りか)1988年(昭63)5月13日、秋田県能代市生まれ。法大経済学部を卒業して、11年にアナウンサーとして秋田放送入社。「ABS news every」メインキャスター、ABSラジオ「ごくじょうラジオ」「幸坂理加のcheer HAPPINETS!]」パーソナリティーなどを務める。19年3月退社して、4月から生島企画室所属。書道10段。