急性喉頭炎の悪化でコンサート・ツアーを中止していたフォーク・シンガーの松山千春(63)が26、27日に、北海道・札幌市民ホールでのファイナル公演でステージ復帰し、ダブルアンコールを含む17曲を無事に歌い切った。今回の全国ツアーは4月18日の神奈川・厚木市文化会館からスタートした。「平成」から「令和」にかけ、全国19都市で23公演を繰り広げる予定だったが、最終的に17都市で19公演となった。

千春は、6月初旬から風邪の症状があり「声が出なくなった」と言う。医師による診察の結果「急性喉頭炎」との診断されたことから6月6日に予定していた福島・いわき芸術文化交流会館での公演を急きょ中止した。

しかし、その後、喉の調子が回復したことから大阪公演は初日(11日)を行ったところ、炎症がさらに悪化。結局、2日目の12日の公演はキャンセルした。さらに17、18日に予定していた名古屋国際会議場センチュリーホール公演についても診察の結果、ドクターストップがかかりやむなく中止となった。

5月から6月にかけて気温の変化も健康に影響を与えたようだ。特に5月末は北海道では記録的な暑さとなり、ツアー中は地元・北海道から日本中を行き来する千春にとって体調崩す要因になっていたのかもしれない。

「福岡のホテルで風邪だったので注意していたが…。札幌に戻って病院で診察してもらったら喉の炎症が酷く、とても歌える状況ではないと言われた」と千春は、容体を語った上で「医者からは安静が必要と言われた。レギュラーのラジオ番組は何とかやってきたが、今回のステージのために出来るだけ人にも会わず、声を出さないようにしてきた」と治療に専念してきたことを明かした。

また、公演を前に医者からは「26日の初日公演は保証するけど、2日目は保証できない」と言われたと言う。それだけに「今日は、みんな不安と期待でいっぱいかもしれませんが、本当は俺自身が一番、不安なんですよ。もちろん期待の方が大きいですけどね」と意欲を語っていた。

「愛を確かめる」で幕を開けたステージは「恋」「人生の空から」「ねえ君」へと続く。さらに「6月の雨」「egoist」、そして「我家」、アンコールでは「長い夜」「銀の雨」などを力いっぱい熱唱した。「大空と大地の中で」では、客席に降りて歌うなどのサービスぶりで、ラスト曲はデビュー曲「旅立ち」で締めた。