15日に行われた落語家柳亭小痴楽(30)の真打ち昇進披露宴には多彩な顔ぶれが集まった。福井俊彦元日銀総裁、中畑清前DeNA監督、森繁和前中日監督、大相撲の錣山親方、作家万城目学さんなど、約450人がお祝いに駆けつけた。

そこで語られたのは、小痴楽の父5代目痴楽の面倒見の良さから来る交友関係の広さであり、小痴楽のしくじりの多さだった。小痴楽は最初は桂平治(現在の文治)に入門したが、3年後に父のもとに戻った。小痴楽は「(文治師匠には)落語の『ら』の字から教えてもらった。あの時は本当にご迷惑をおかけしたけれど、首の皮1枚残してもらった」と感謝した。

しくじりで言えば、初対面の大先輩にもため口で話したこともあり、今回の真打ち昇進披露宴の招待状でも、三遊亭小遊三が「立派な招待状だったけれど、返信のはがきが入っていなかった」と明かせば、小痴楽自身も「1週間前に招待状を出した人もいた」と告白するほどだった。

最後に挨拶に立った小痴楽は「寝坊だけは気を付けます。しくじりの多い人間で、不快な思いをさせてしまった方もいると思います。今後はしくじりが少なくなるように頑張っていきます」と約束した。ただ、こういうしくじりを含めて、愛される落語家なのだろう。11月11日にぴあから出版される予定のエッセー集「まくらばな」には、「父との思い出や、これまでのしくじりも書きました」という。小痴楽のしくじりをもっと知りたい人には必見です。【林尚之】