俳優ディーン・フジオカ(39)が主演のフジテレビ系連続ドラマ「シャーロック」(月曜午後9時)が今月7日にスタートする。

コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」シリーズが原作で、どんな探偵像を見せてくれるのか。香港、台湾、北米でキャリアを積み、日本でも大ブレークしたフジオカに、その思いを聞いてみた。

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フジオカが演じる犯罪捜査専門コンサルタント誉獅子雄(ほまれ・ししお)のセリフは、事件の謎解きを息継ぎをせずに一気にまくし立てる。「ワンブレスで呼吸せずにワーッて。そのリズム感を微調整しながら作り上げています」。田村正和の古畑任三郎、小池朝雄の刑事コロンボ…。謎解きの名調子が話題になったドラマも多い。「最初から『令和のシャーロック』はこうだ! みたいな、トレンドセッターを狙って作るわけじゃない。すごく緻密に、そぎ落として作っている。自然と特徴が出ればいいと思います」と言う。

バディーを組む精神科医役の岩田剛典(30)とは初共演。「ガンちゃん(岩田)は努力家で真面目。ポジティブなエネルギーを持っている。共に俳優と同時に音楽もやっているから、わかり合えることも多い」。刑事役の佐々木蔵之介(51)とも初共演。「蔵さん(佐々木)は先輩だけど、本当にかわいらしい、ゆるキャラみたい(笑い)。一言で現場がドッカ~ンと。そこに長年のお芝居に対する濃度の濃さが集約されている。いい意味で、ずるいな~と思う」と笑う。

米国の大学に留学して、06年に香港で俳優デビュー。台湾で活躍、北米にも進出した。15年に「あさが来た」の五代友厚役で大ブレークした時には35歳になっていた。「自分の人生に、もう日本は縁がないと思っていた。アメリカに留学して、香港でデビュー。20代後半には台湾で大きな仕事をさせてもらっていた」。台湾で俳優として稼ぎ、拠点にしていたインドネシアのジャカルタで好きな音楽の制作に没頭した。「台湾で1クールとか半年の仕事してお金をためて、ジャカルタで散財するみたいな(笑い)」と振り返る。

30代を迎える時に日台合作映画で出会いがあった。「日本で仕事をしないか」という誘いがあり、11年に現所属のアミューズと契約。「新人を4回やっています。香港でデビューして、台湾に行った時に、それはカウントされなかった。そして北米のドラマに出た時、アジアでやっていたことは規模が違うから新人。日本でも当時は、今ほどアジアに対する意識が高くなかった。『あ、変わってるね』みたいな感じ。転校して、前の学校で取った単位が換算できないみたいな(笑い)」。

その経験が役に立った。「めんどくさいなと思う部分もあったけど、説明しても分からない。ポジティブに考えれば、自分が成長できるきっかけになった。成功すると慣れが出てくる。10年前に夢見たことが普通になると、感謝の気持ちが感じられなくなるから」と言う。

他者と比べることはない。「地球規模で考えれば、どっちが近道とかいうことじゃない。最終的に『いい人生だったな』と思えたら幸せ。エリアやジャンルが違うことに挑戦できるのは、すごくいいことだと思う」。キャリアに裏付けされた自信を感じさせる。「アメリカに留学してよかった。まだ何も定まってなかったけど、視野が広くなった。どこへ行っても生きていけると思った」。地球人ディーン・フジオカの活躍の場は、まだまだ広がっていく。【小谷野俊哉】

◆ディーン・フジオカ 1980年(昭55)8月19日、福島県生まれ。香港でモデルとして活動を始め、05年に俳優デビュー。その後、台湾に拠点を移し活動。日本では連続テレビ小説『あさが来た』で知名度を上げ、多数のドラマ、映画に出演。ミュージシャンとしては、2019年1月にアルバム「History In The Making」をリリース。同年2月からアジアツアー「Born To Make History」を開催し、25,000人を動員。本作の主題歌「Shelly」を書き下ろし。

◆ドラマ「シャーロック」 サー・アーサー・コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」シリーズが原作。舞台を令和の東京に置き換え、ディーンはシャーロック・ホームズに当たる犯罪捜査専門のコンサルタント誉獅子雄(ほまれ・ししお)役。天才的な頭脳で難事件を解決していく。バディを組むワトソン医師に当たる精神科医・若宮潤一を岩田剛典(30)が、レストレード警部にあたる警視長捜査1課の江藤礼二警部を佐々木蔵之介(51)が演じる。