元徴用工問題で、韓国大法院(最高裁)が日本製鉄(旧新日鉄住金)に賠償を命じる判決を下して1年が過ぎた。判決後、日韓の間では、政治的な報復合戦が続く。「史上最悪」とされる日韓関係はなぜ、ここまで悪化したのか? 

鋭い視点で斬り込むMBSテレビのドキュメンタリーシリーズ「映像’19」。今回は「ぶつかり合う日韓~徴用工裁判の核心」と題したドキュメンタリーを24日深夜0時50分(関西ローカル)から放送する。隣国同士の対立の核心に迫る。

昨年10月30日、韓国大法院は、朝鮮半島が日本の統治下にあった戦時中の韓国人元徴用工らが、かつて働いた日本企業に損害賠償を求めた訴訟で、日本企業に1人1億ウォン(約910万円)の支払いを命じる判決を出した。

元徴用工の一部は1991年以降、日本で同種の訴訟を起こしてきたが、日本では敗訴が続いていた。その後、2000年代に入って元徴用工は韓国でも法廷闘争を続けてきた。

同番組は昨年10月の韓国の最高裁判決で勝訴が確定した原告の1人で、元徴用工にも取材を重ねる。韓国の担当弁護士にも取材し、最高裁判決の詳細も伝える。国際法の専門家も取材し、問題点を浮き彫りにしていく。

番組では、各国の植民地支配の過去への問い直しの国際的潮流なども紹介しながら、日本人が、植民地支配の過去にどのように向き合えばいいか? そのヒントとなる取材を重ねた。

津村健夫ディレクターは番組の制作の意図について「韓国が物事に対してどう考えているのかを知らずに非難したり、嫌悪しているのではないか。少なくとも何を主張しているのかを知りたい。そして視聴者に伝えたい」とコメント。

「近くて遠い隣国。モノの考え方を知った上で付き合う。日本とはモノの考え方が違うことを認識した上で、とくに植民地支配の合法性、不法性については考え方が180度違う、そこの問題を知っていただければ」と話した。