先日、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」(19日スタート、日曜午後8時)の第1回の試写会に参加しました。感想を一言で表現すると「大河ドラマが帰ってきた」という感じでしょうか。

長谷川博己が主演し、明智光秀の生き様を描く作品。大河ファン、時代劇ファンが好む戦国時代が描かれ、初回から盗賊と戦う殺陣のシーンがふんだんに登場します。誰とは言いませんが、何人かの登場人物はキャラの濃さも魅力。全体的に分かりやすくて中高年の大河ファンが待ち望んでいた作りになっていると言っていいと思います。

もう1つの魅力は、田園や山林など広大な自然を背景に撮影を行っていること。きれいな自然の映像を見ていると作品のスケールの大きさを感じ、癒やされます。裏番組のテレビ朝日系「ポツンと一軒家」に登場する田舎の風景に勝るとも劣らない映像かも。視聴者には魅力の1つになると思います。

もう1つの特徴は、庶民も武士もほとんどの出演者の衣装が緑や青やオレンジなど華やかな色合いであること。何となく気持ちが明るくなる効果をもたらす気がします。

一方で心配なのは、前作「いだてん」の影響。初回から最終回までの期間平均視聴率が関東地区で大河史上最低の8・2%(ビデオリサーチ調べ)でした。昨年2月10日放送の第6回以降、平均視聴率は最終回まで1桁が続いていました。離れた大河ファンをどれだけ取り戻せるのか。「麒麟がくる」は序盤の勢いが大切な気がします。1話、2話が評判になれば、数字も期待できるはず。初回を見ただけですが、内容は視聴率2桁を取れる出来栄えだと思います。