注目のミュージカル映画「キャッツ」(公開中)のヒロインを務めたのが、世界的バレエ・ダンサー、フランチェスカ・ヘイワード(27)だ。公開に合わせて来日し、日刊スポーツのインタビューに応じた。

世界観客動員が8100万人超の人気ミュージカルの映画化。役作りは猫の生態研究から始まった。

「白鳥の経験はありますが猫は初めて。出演者全員で『キャット・スクール』で動きを勉強しました。足の動き、背中の丸め方…」

ミュージカル生みの親アンドリュー・ロイド=ウェバーが総指揮し、「英国王のスピーチ」で知られるトム・フーパーが監督した。

「猫から見た街並みを再現した巨大セットに目を見張りました。イヤ・モニターを装着して生演奏を聞き、後からCGで付ける耳や尻尾の動きを意識して歌い踊る特殊な環境。イヤ・モニターを外して家に帰っても幻聴が聞こえました」

英ロイヤル・バレエ団のプリンシパル(トップ・ダンサー)。157センチ、リンゴ大の小さな顔にバービー人形のような体形だ。英国人の父とケニア人の母の間に生まれ、2歳の時に生地ナイロビから英国に移って祖父母の元で育てられた。

「じっとしないワイルドな子だったんですが、祖父が買ってきた『くるみ割り人形』のビデオにくぎ付け。バレエに夢中でした」

才能はあっという間に開花し、23歳と異例の早さでプリンシパルに出世した。

「バレエ団に入ったのは11歳。実はトップに行くためのぎりぎりの年限でした。カリキュラムは厳しくて、体も心もボロボロ。何度もやめようと思いました。舞台上のえもいわれぬ達成感だけが救いです。今でも朝10時から夕方6時までレッスンの毎日です」

劇中の「猫」はボディーラインがセクシー過ぎるとの評もあるが、素顔はストイックを絵に描いたようなバレエ・ダンサーだった。