パリ在住のミュージシャンで作家の辻仁成(60)が、新型コロナウイルスの影響で現地では握手やビズ(ほおへのキス)によるあいさつを自粛するよう呼びかけられ、代わりに新しいあいさつが流行しつつあることを伝えた。

辻は3日、「感染恐れ握手もビズも出来ないパリで新しい挨拶が登場」のタイトルでブログを更新。パリでもマスクやアルコール消毒液が薬局から消えただけでなく、パスタの買い占めも始まっているという状況をつづった。

また、握手やビズの自粛が呼びかけられるなど、感染防止対策がとられている状況だが、若者たちの間では新しいあいさつがはやり始めているという。

辻は街で出会った女性からそのやり方を教わり、「ぼくはギターを床に置いて、立ち上がり、彼女と向かい合った。まるで空手の試合みたいである。『まず、サリュー(やあ)って言ったら、こうやって、右足の靴を相手に出してね、あなたもやってください。で、靴の側面同士をごっつんこさせるだけ。簡単でしょ?』『せちゅぬぼんにでー(いいアイデアじゃんね)』すると、その子が大きな声で、サリュ、と言った。ぼくも、サリュ、と言い、靴と靴を一瞬ごっつんこして、離してみたのだ」と、そのやりとりをつづった。

辻は、現地でも市民の間に緊張が走っている状況をつづり「人類にとって経験のない事態が起きている。インフルエンザのように温かくなったら流行が終わるのであればいいが、これもわからない。いろいろ見極めながらぼくらは冷静に恐れ生きていかないとならない。それにしても、暫くの間、フランスでは足ビズが流行るのだろうか。少なくともぼくの音楽仲間たちも今日から、みんな足ビズに切り替えることにした」とした。