タカラジェンヌを養成する宝塚音楽学校108期生の合格発表が27日午前、行われ、40人があこがれの扉を開く切符を手にした。今年は、新型コロナウイルスの影響で受験者は852人。競争率は21・3倍(昨年22・9倍)にとどまり、直近10年で最少となった。

昨年は915人、一昨年は965人が受験しており、昨年の競争率は22・9倍、一昨年は24・1倍。音楽学校は、合格発表の前から「今年は応募された方から、(感染拡大の影響で)受験までに辞退された方もいた」と話していた。

1000人の大台をめぐっては、97期(09年)に1106人と1000人台にのり、98期も1028人。東日本大震災のあった翌99期は940人に落ち込んだが、102期で再び1065人と大台に。一昨年の106期から大台を割り、今年で3年連続1000人割れとなった。

今年の合格者40人の最高身長は175センチ(昨年173・0センチ)、平均身長は166・1センチ(同165・0センチ)だった。

今年は、感染拡大の影響で、恒例の在校生による合格者掲示はなく、ホームページのみでの発表。例年は、本科生へ進学する制服姿の生徒が合格者の受験番号を記したボードを手に、校舎外の広場で午前10時ちょうどにボードを広げて掲示。両親やレッスンの先生らと抱き合い涙しながら歓喜する合格者、自分の番号がなくハンカチで顔を押さえ泣く受験生ら、悲喜こもごもの姿があり、毎春の風物詩でもあった。

今年は各自が個々の待機場所で、ホームページから受験番号を確認。合格者は順次、音楽学校へ訪れ、手続きに入った。学校の正門前には、合格者に向け「保護者(同伴)は2人まで」と告げる紙がはられ、感染配慮への措置がとられた。

1913年に「宝塚唱歌隊」として創立された同校では、太平洋戦争の前後、混乱期をのぞき「発表を掲示しないスタイルは記憶にない」と話している。同校では3月2日に106期生の卒業式を行っており、来賓の数、出席の親族を「生徒1人に2人まで」に制限するなどし、最大限の配慮をして式典を終えていた。

108期生の入学式は4月17日に行われる。