ナインティナイン矢部浩之(48)が、相方の岡村隆史(49)を「公開説教」した。4月30日放送のニッポン放送「岡村隆史のオールナイトニッポン」(木曜深夜1時)の中でだ。

岡村は前週23日の放送で、リスナーからのメールを受ける流れで、コロナ騒動後に経済的理由で風俗入りする女性が増える可能性を挙げ「いい子が入るから、今は風俗を控えましょう」などと話し、批判を浴びていた。

番組冒頭からの岡村の謝罪に次いで、矢部が登場。「情けないやろ。致命的やと思う。注意してくれる人がいなくなって、甘えが重なった。景色を変えた方がいい、結婚したら」と厳しい言葉を浴びせた。そして「ミスした後が大事。この後の岡村隆史、ナインティナインを見てもらいたい」と言葉をつなげた。

ナインティナインがメインを務め、96年10月から18年3月まで21年半にわたって放送されたフジテレビ系「めちゃ×2イケてるッ!」が終了して1カ月後に矢部にインタビューする機会があった。

ナイナイは吉本興業の若手お笑いユニット「吉本印天然素材」のメンバーとして、91年に東京進出。同年10月に日本テレビ系バラエティー「吉本印天然素材」が始まるなど強力にプッシュされたが、東京ではブレークせずに失敗した。

インタビューでその時の事を話した矢部は「その時にフジテレビに拾ってもらった」と振り返った。フジテレビに「拾ってもらった」ナイナイは、同局の深夜バラエティー「新しい波」「とぶくすり」と抜てきされて「めちゃイケ」で超人気者になった。

TBS「8時だョ!全員集合」で志村けんさんが、フジテレビ「オレたちひょうきん族」でビートたけし(73)が担った「土曜午後8時のお笑い」のエースの座を受け継いだのは間違いなく岡村隆史だった。岡村とEXILEがコラボした「オカザイル」は、平成のお笑い史上のトップに位置する傑作だと思っている。

ニッポン放送の深夜番組は「ナインティナインのオールナイトニッポン」として94年4月にスタートした。14年9月いっぱいで矢部が降板して、翌10月から「岡村隆史の-」と、岡村1人がパーソナリティーを務めることになった。

矢部はインタビューの際、「オールナイト-」の降板理由を「結婚して、子供ができて、家族と一緒にいてあげたい、一緒にいたいと思うようになりました」と話してくれた。13年3月に元TBSのフリーアナウンサー青木裕子と結婚、14年3月には長男が誕生していた。

そして、独身の岡村を心配する言葉も口にしていた。「いい年なのに、いまだに風俗に遊びに行っている。いいかげんに落ち着いた方がいい」などと話していた。

「めちゃイケ」が終了したばかりのナイナイには、吉本興業も気をつかって、岡本昭彦社長自ら宴席を設けて矢部に今後の仕事の希望について聞いたという。矢部は「それまで宴席に誘われても断っていたんですけど。自分のやりたいこと、相方には“ナイナイのお笑い番組”が必要なことを話した」と振り返ってくれた。

「オールナイト-」を降りた理由を、矢部本人から聞いていたから、今回番組に登場した時は驚いた。そしてその本気を感じた。

矢部の言葉を受け止めた岡村がどう変わるのか、注目だ。【小谷野俊哉】