吉本興業は3日、本拠地の大阪・なんばグランド花月(NGK)など、全国5劇場の舞台上のアクリル板を撤去し、センターマイクの使用を開始した。NGKに加え、よしもと漫才劇場、東京・ルミネtheよしもと、ヨシモト∞ホール、千葉・よしもと幕張イオンモール劇場の5劇場。

この日、漫才師の聖地・NGKで、センターマイク前に立ったトミーズ雅(60)は、アクリル板がなくなったことについて「久しぶりに(相方の)健ちゃんのにおいがあった。アクリル板のときはなかった。キムチの汁のようなにおい。今日は(においが)きましたね」と相方をいじりつつ「アクリル板はない方がええですよ」と喜んだ。

5劇場は6月19日から観客を入れて興行を再開。新型コロナウイルスの感染予防のため、漫才ではコンビの間にアクリル板を設置し、通常はマイク1本のところを2本にするなどの対策を取っていた。

またNGK、よしもと漫才劇場、よしもと幕張イオンモール劇場では、9~13%の客席使用制限から最大50%以下の使用に緩和。NGKでは858席中、404席を使用可能とし、この日は60席程度が埋まった。

札幌から旅行に来た20代の女性は「アクリル板がなくて芸人さんも生き生きしていた」と話し、60代の女性も「(アクリル板があると)寂しい感じ。今日は人が少なくてゆっくり見られた」と語った。

平日午前の開演で、団体の観光客などが戻っていないこともあり、収容制限の緩和も、最大収容までは大きく届かず。

それでも、雅は「夏休みぐらいになると徐々に(客も)増えてくる。新喜劇も復活しますので、ぜひ笑いに来て下さい」と語った。【南谷竜則】