歌舞伎俳優片岡秀太郎(78)が13日、大阪・近鉄アート館で、監修を務める「第6回あべの歌舞伎『晴(そら)の会』」(8月20~23日)の会見に参加した。

秀太郎は「みなさまのお力添えに感謝です。一生懸命にみんな力を注いできました」とあいさつした。

「あべの歌舞伎『晴の会』」は、片岡松十郎、片岡千寿、片岡千次郎が出演し、15年から同劇場で開催されている。秀太郎は初演から監修を務め、同会を支えている。

上演するのは、15年の初演で好評だった3人芝居「浮世咄一夜仇討(うきよばなしひとよのあだうち)」。

松十郎は「4カ月ほど自粛で、舞台に立てる喜びをかみしめていた。大阪で初めて歌舞伎が開くことに感謝です」と喜んだ。千寿も「3人で集まって『何か芝居を…』という話をしていた。前回よりもいい公演になるようやっていきたい」と意気込みを語った。

17年の第3回から昨年の第5回公演は、秀太郎の弟である片岡仁左衛門も監修を務めた。秀太郎は今年の公演は新型コロナウイルスの影響で開催できないと思っていたが「3人だけなら…」と仁左衛門に相談。「いいじゃないか」との返事をされたという。秀太郎は「仁左衛門が彼らの芝居を認めてくれた。私はそう思っている」と喜んだ。

秀太郎が「みんなが上方の役者。上方の味を楽しんでいただければ」と話すと、千次郎も「役者も関西。スタッフもほぼ関西在住。何かになればいいと思っている」と語った。

新型コロナウイルス感染予防対策として322席のうち、150席のみを使用する。ロビーでは花のかわりに、過去5回の上演写真を展示する予定。

同公演の収録映像は9月中に有料配信される。また、大阪府文化芸術活動(無観客ライブ配信)支援事業として、「あべの歌舞伎『晴の会』無観客公演動画」も8月下旬に配信する。