シンガー・ソングライター山下達郎(67)が30日、音楽動画配信サービス「MUSIC/SLASH(ミュージックスラッシュ)」で初めてライブ映像を配信し、“動く達郎”をファンに届けた。

75年にデビュー以降、これまでライブ映像がDVD化などされたことがなく、12年に映画館で限定公開の「山下達郎シアター・ライヴ PERFORMANCE1984-2012」以外に、例がなかった。

今回の配信では“伝説のライブ”をよみがえらせた。まず、18年に京都の老舗ライブハウス「拾得(じっとく)」で行われたアコースティックライブから「あまく危険な香り」や「WHAT’S GOING ON」など6曲を配信した。

続いて、17年に出演した「氣志團万博」(千葉・袖ケ浦海浜公園)でのパフォーマンスを配信。近藤真彦の「ハイティーン・ブギ」、KinKi Kidsの「硝子の少年」のセルフカバーや、妻の竹内まりや(65)もコーラスで参加した「アトムの子」など約40分間をノーカットで届けた。最後は、86年10月に福島・郡山市民文化センターでの「SO MUCH IN LOVE」、同年7月の東京・中野サンプラザでの「プラスティック・ラブ」も配信した。

45年のキャリアで初めての試みだったが、コロナ禍で達郎は「我々エンタの世界は深刻な危機にさらされています。再びリアル・ライブができるようになるまでの間、違う可能性を必死で探さなくてはなりません」と配信を決意した。達郎自身が事前に収録データも確認したといい「基本的にどこも修正などする必要がない演奏素材が準備できた」という配信だった。