サザンオールスターズ桑田佳祐(64)が坂本冬美(53)に提供した新曲「ブッダのように私は死んだ」が11月11日に発売されることが2日、発表された。桑田による他アーティストへの楽曲提供は数少なく、早川義夫の「アメンボの歌」以来、23年ぶり。

坂本と桑田の初共演は、18年のNHK紅白歌合戦。初めてサザンのパフォーマンスに感極まった坂本が19年春、楽曲制作依頼を手紙にしたため、その手紙が桑田の手に渡った。当時桑田はサスペンスドラマやミステリー映画の鑑賞に傾倒しており、坂本からの手紙の内容と映像の雰囲気がシンクロし、楽曲のインスピレーションは次々とわき出たという。

こうして完成した新曲は、作家・桑田佳祐が坂本冬美を主人公に見立てて描いた、悲しくも美しい愛に生き、愛に死にゆくストーリーとなった。桑田にしか描けない世界観と楽曲に、坂本の歌声が色を添えた楽曲が誕生した。

坂本がサザンを知ったのは中学生の頃。デビュー当時から、「いつか桑田さんに楽曲を手掛けていただきたい」と夢を持っていたが、その夢がかなった。「これまでの歌手生活34年は桑田さんに出会うために、『ブッダのように私は死んだ』に出会うために歌って来たのだと確信しております」とし、「桑田佳祐さんから頂いた作品をヒットさせなければ罰が当たります。坂本冬美は命がけで歌わせていただきます」と決心のコメントを発表した。

一方、桑田は「冬美さんの素晴らしい歌声で、私の楽曲にポップでソウルフルな命を吹き込んでいただきました。進み続ける地球温暖化、そして広がり続ける格差社会。それでもなお、拡張を止められない産業経済。密集と過疎化が進み、日本の人口も減少の一途。イビツでグロテスクな都市型生活を嘆き、警鐘を鳴らす『坂本冬美』魂の慟哭!! 皆様、どうぞお聴きいただければ幸いです」とコメントを寄せた。

同曲をいち早く聞けるのは3日、JFN系ラジオ「桑田佳祐のやさしい夜遊び」(土曜、午後11時)の予定。