派遣型マッサージ店の女性従業員に乱暴したとして強制性交罪に問われ、1審で懲役5年の判決を受けた元俳優新井浩文(本名・朴慶培)被告(41)の控訴審初公判(細田啓介裁判長)が12日、東京高裁で開かれた。弁護側は1審判決を「事実誤認があり量刑は不当」とあらためて無罪を主張、検察側は控訴棄却を求め、即日結審した。判決は11月17日に言い渡される。

新井被告は出廷せず、弁護人が「民事上の和解が成立した」証明を証拠として提出。1審の時には、同被告の示談の申し出を被害女性が拒否したことが明らかになっている。昨年12月2日の判決からこの日までに示談に至ったとみられる。

1審では、性交時の暴行があったかどうか、性交の合意の誤信があったかどうかが争点になり、「合意があったと誤信するとは到底考えがたい」との判決理由が示された。

弁護人は「個別具体的な事情に踏み込んでいない。街中のマッサージ店なら初対面のスタッフと客が性行為に同意することはありえないが、性風俗店だとしたらありえないことではない」などと主張した。

◆事件経過

▼18年7月1日 午前1時半ごろ派遣型マッサージ店の女性従業員が新井被告宅を訪れる。同6時ごろ、女性が新宿署で被害相談

▼同8月28日 女性が世田谷署に被害届提出

▼19年2月1日 警視庁が強制性交の容疑で逮捕

▼同5日 所属事務所が新井被告との契約解除

▼同21日 東京地検が起訴

▼同27日 保釈

▼同9月2日 東京地裁で初公判。女性は証人質問を受け「刑務所に入って反省してほしい」と訴えた

▼同26日 第2回公判

▼同10月23日 第3回公判

▼同12月2日 懲役5年の判決が言い渡される