1999年(平11)9月の結成から21年-。幾多の社会現象を巻き起こしてきた嵐も残すところあと10日で節目の時を迎えます。今日からスタートする連載「嵐を語ろう~Arashi talk~」では、グループでの活動に一区切りをつける5人の魅力について、ゆかりのある人々が解き明かします。初回は、15年の映画「母と暮せば」(山田洋次監督)で、二宮和也(37)と母子を演じた女優吉永小百合(75)。貴重な巡り合いとなった“息子”と“親友たち”に贈る言葉を2回にわたって届けます。

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二宮さんは「母と暮せば」で、私の息子を演じました。

天才ですよね。

ピリピリしていない。本当に柔らかい。どんな雰囲気の中でもパフォーマンスを、しっかり出来る柔軟性がありますね。

映画の音楽を担当なさった坂本龍一さんが、ラッシュ(編集中の映像)をご覧になった時に「二宮さんって、なかなかすばらしいね」って、おっしゃって。何だか自分の息子が褒められたみたいで、うれしくなりました。

二宮さん以外のメンバーとお会いしたのは(「母と暮せば」が封切られた15年12月12日に日本テレビ系で放送された)「嵐にしやがれ」が、本当に初めてなんです。

幼い時から一緒にトレーニングして、大人になってきて、お互いに5人で良いパフォーマンスをするために助け合っているっていう雰囲気があって、とてもいいと思いました。

嵐のコンサートは、マネジャーさんからお声をかけていただいて15~18年まで4年、続けて行きました。コンサートが終わって、5人の方とお会いして、3時間も舞台をやられた後で疲れていると思うんですけど、みんな、そんなことをみじんも感じさせませんでした。明るく、おしゃべりさせていただきました。

あれだけファンの人たちを引きつけて1分、1秒たりとも手を抜かない。1つのものを作り上げていくパワーというのは、すばらしいですね。みんなが前を向いて、こういう舞台を作っていくんだという熱気が、お客さんに伝わっていると思うんです。

今月11日に、タモリさんの(テレビ朝日系)「ミュージックステーション」を見ましたけれど、11曲も歌って、ダンスも全部やって、とっても楽しかったですし、あのために、ずいぶん練習したんじゃないかって思いました。

とにかく、嵐のここ何年間かの活動というのは、すさまじいものがあったし、大野智さんがおっしゃっていたように、みんな、それぞれ、とっても疲れていらっしゃると思うんですよね。体が疲れるというよりは(心が)みんなの期待を全部、実現してやってきていらっしゃるわけだから。

これから、ご自分たちのやりたいことをやって、お疲れもリフレッシュしていただきたいですね。

そして、いつか同窓会をやっていただきたい。私は、森本太郎さんに呼んでいただいて「ザ・タイガース同窓会」に行ったんですね。やっぱり、とても懐かしくてすてきだったんですよ。だから同窓会を、いつか、5人そろってやって欲しいと思いますね。

すぐじゃなくて、いいと思うんですよ。でも…きっと5人で、ちゃんとそろってやって欲しいなと思いますね。せっかく、ここまで誰も欠けずに、やってきたんだから。その時は、1番に駆けつけます。(続く)【聞き手=村上幸将】

◆吉永小百合(よしなが・さゆり、本名岡田小百合=おかだ・さゆり)。1945年(昭20)3月13日、東京都生まれ。57年のラジオドラマ「赤胴鈴之助」でデビュー。59年「朝を呼ぶ口笛」で映画デビュー。62年「キューポラのある街」でブルーリボン賞主演女優賞。同年「寒い朝」で歌手デビューし、橋幸夫と歌った「いつでも夢を」で日本レコード大賞受賞。122本目の映画「いのちの停車場」(成島出監督、21年5月21日公開)を撮影中。

◆「母と暮せば」 長崎の助産婦・福原伸子(吉永)は夫を結核で亡くし、長男もビルマで戦死し、長崎医大生の次男浩二(二宮)と暮らしていた。1945年(昭20)8月9日に原爆が投下され、浩二は消息不明。捜し続けた伸子は3年目の墓参の時、浩二の恋人佐多町子(黒木華)に諦めると伝えたが、その夜、自宅に浩二が現れ「僕は死んでるんだよ」と告げる。15年4月27日にクランクインし、同7月11日に長崎市内の教会でクランクアップ。

◆吉永「嵐にしやがれ」出演VTR 吉永は「母と暮せば」の撮影にあたって、役作りに生かすため二宮から子どもの頃の写真を5枚借りた。これについて、松本潤から「線を引いて自分の生活と分けたくならないですか」と質問された。「全然、分けたくならない。映画を撮っている3カ月は息子と一緒に撮影所で暮らす感覚」と答えた。二宮は櫻井翔から「最後におねしょしたのは?」と聞かれると「お母さんの前で言いたくないけど18歳」と答えて赤面した。櫻井は「聞いた僕が、悪かった」と苦笑した。

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