嵐とゆかりのある人々がメッセージをつづる連載「嵐を語ろう~Arashi talk~」第5回は、今季限りでの引退を発表した川崎フロンターレのMF中村憲剛(40)が、同世代の嵐の魅力と、同じ年に活動に一区切りをつける嵐への共感を語ります。

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僕は大野君(いつも家で呼んでいる呼び方で失礼します!)と同い年。デビュー時から同世代だと意識していて、僕の人生の隣では常に嵐さんが走り続けてくれていました。新曲が出るたびに聴いて、家族でハマって「アラフェス」のDVDで子どもたちにも火が付いて、家ではずっとDVDが流れていました。5人の声質もあると思いますが、曲はどれも元気が出る。前に向かわせるパワーがある人たちだなと思います。

チームスポーツをやっている身としては、嵐さんのチームワーク、5人のバランスの良さをとても感じます。サッカーにあてはめると、全員がどのポジションもできる。はっちゃけることも、シリアスな演技も、MCだってできちゃう。だから嵐は最強なんじゃないかな。みんながオールマイティーでありながら、個性も出せるのがすごいです。

15年には、フジテレビ系「VS嵐」に2度出演させていただきました。場面転換時には緊張する僕に話しかけてくださるなど、業界でトップを走り続ける人たちの気配りはすごかった。観覧した家族も大興奮で、おかげでちょっとパパの地位が上がりました(笑い)。NHKの番組では相葉君と共演し、その後は家族でライブにご招待いただきました。「絶対今、マツジュンと目があった!」と言った記憶があります。ファンやサポーターの皆さんが「憲剛と目があった!」と言っている気持ちが分かりました(笑い)。

嵐さんが活動休止を発表されたのが19年1月。僕も既に20年シーズンで引退すると決めていたので「かぶった!」と思いました(笑い)。大野君の気持ちがきっかけになったと聞いて、勝手にシンクロした気分です。同い年の大野君の覚悟は痛いほど分かります。

嵐さんも僕も、活動しなくなって初めて寂しくなるんじゃないかな。活動しない自分を想像できていないと思うんです。なぜなら、僕が今そうだから。まだ試合も練習もあって、ユニホームとスパイクを脱いだ自分を想像できていません。

ファンとして、また5人での活動を見たいとは思います。でも、本人たちにしか分からないことがあるのは、同じ決断をした人間としてよく分かる。戻ってきてくれたらうれしいけれど、このまま復活しなくても、それはそれでいいんじゃないかなと思います。

嵐の皆さん、本当にお疲れさまでした。【聞き手=杉山理紗】

◆中村憲剛(なかむら・けんご)1980年(昭55)10月31日、東京都生まれ。中大から03年に川崎F入り。10年W杯南アフリカ大会日本代表、16年JリーグMVP。今年11月に引退を発表、27日に天皇杯準決勝を控える。家族は夫人と1男2女。175センチ、66キロ。

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