整体師のゴッドハンドとして知られ、芸能界にも信奉者が多い美容矯正士の清水ろっかん氏(65)が出版した「眼圧リセット」(飛鳥新社)が評判を集めている。発売から3週間で3刷が決まり、発行部数も2万部に届く勢いだという。

同書は、頭と目の周りを手のひらでマッサージするだけで、眼圧を下げ、目の不調がなくなるという目の健康本だ。

明大柔道部出身の清水氏は在学中から整体を学び、整体師や骨格セラピストとして活躍。骨盤のゆがみと股関節の開きに着目し、独特の骨格矯正技術「ろっかん式」を考案した。00年に女性ファッション誌でボディーケアの連載をスタート。同時に美容整体や小顔矯正も始めた。「骨格矯正には2つの効果があるんです。健康面の効果と美容面の効果。骨盤をしめると腰痛が消え、同時にヒップアップします。胸の骨をふくらませると肺が広がり心肺機能が上がると同時にバストアップする。全部リンクするんです」。

今では街のあちこちにサロンがあるが、当時は小顔矯正の認知は低かった。だが、芸能人はこぞって通い、某ファッション誌のモデルは半分以上は治療したという。有名女性アーティストは週に5日も通い、O脚を矯正した。都内に美容矯正サロンのフォルムグループを展開し、ゴッドハンドとしてテレビにも出演してきた。

だが、5年前に悪性リンパ腫を患う。「病気を経験したことで、自分の中で健康への意識が高まってきたんでしょう。美容的な整体は弟子に譲り、私は治療や健康のために、よりディープな領域をやろうと思いました。今では重症な人を主にやらせていただいております」。20年4月に治療専門の「ろっかん塾」を開設し、治療に当たっている。

著書「眼圧リセット」もこれまでこなしてきた施術から生まれたという。小顔矯正を行う中で、視力が上がった、視界がクリアになったという声を聞いてきたという。

「10年ほど前からですかね。最初は、漠然と聞いていたんです。医者に聞いてもわからないというし。ただ、研究していくと、加齢などで目のまわりの筋肉はゆるみ、頭蓋骨の一部である眼窩(がんか)骨が下がり、眼窩がせまくなることで、目がくぼんだり、目が小さくなるんです。これを治すために眼窩を広げてきたのですが、そのことにより、眼圧を調整していることに気づいたんです」。

つまり、眼窩が狭くなることで眼球に圧力がかかり、眼圧は高くなり、必然的に血流が悪くなる。すると目の動きも悪くなるし、視神経も圧迫される。これを目の周りの骨を矯正することで解消できることに気づいたのだった。小顔矯正からの副産物で「まさに目からうろこでした」という。女優熊谷真実も施術してもらったところ、右の視力が0・6から1・0に、左も0・3から0・6にアップしたという。

「眼圧リセット」では、眼窩を広げるための自分でできるマッサージの方法を伝授している。使う道具は手のひらだけというのがポイントだ。清水氏は「眼窩骨を元の位置に戻してあげればいいんです。ただ、眼窩には直接は届かないので、おでこなどの周りの骨を動かすことで広げていきます。僕がサロンの名前に『塾』と名付けたのは、教えて、セルフチェックするという意味合いからなんです」。

最後に同書に書かれている、目に直接効いてくる新習慣を紹介する。

<1>文字から目を話す

<2>1分間の仮眠を行う

<3>気の力で目を温める

<4>意識的にまばたきする

<5>目の遠近トレーニングをする

<6>だてメガネで目をホコリから守る

<7>パソコンの画面は目の高さまで上げる

<8>日光を適度に浴びる

<9>なわとびや軽い運動で目の血流をアップさせる

<10>人相が変わるまで筋トレにのめりこまない

 

◆清水(しみず)ろっかん 1955年(昭30)8月29日、東京都生まれ。明大柔道部在学中から整体術を学ぶ。98年、均整体クリニックを設立。10年から都内でに美容矯正サロン「フォルムグループ」を展開。20年4月、東京・高円寺にろっかん塾を開設。日本美容矯正士協会理事長も務める。主な著書に「坐骨に敷くどこでも腰楽パッド」「仙腸関節ストレッチ」「パンプスらくらくフットカバー」「くびれ美ボディダイエット」など多数。