NHKは3日、106作目となる22年前期の連続テレビ小説が、沖縄本島北部が舞台の「ちむどんどん」に決まり、ヒロインを沖縄出身の女優黒島結菜(23)が務めると発表した。

22年は沖縄の本土復帰から50年の節目の年で、作品は沖縄から東京へと夢を追うヒロインとその家族を描く。黒島演じるヒロイン比嘉暢子は4人きょうだいの次女で、西洋料理に魅せられて上京し料理人として成長する中、東京で沖縄料理の店を開く夢に突き進む。

「ちむどんどん」は沖縄の言葉で、前向きで肯定感に満ちた心がわくわくするという意味。復帰とともに世の中に飛び出していく若者たちの思いを表すことばとして、タイトルに決めたという。脚本は、映画「パッチギ」や朝ドラ「マッサン」で知られる羽原大介氏のオリジナルストーリー。語りは沖縄出身のジョン・カビラが担当する。

今回は、朝の情報番組「あさイチ」(月~金曜午前8時15分)の中で発表された。沖縄・国頭村の海辺から生中継で出演した黒島は「すごく驚いています。でも、朝ドラは3作目になるのですが、いつか自分も(ヒロインを)できたらいいなと心のどこかにあったのも本当で、うれしいです」。ヒロインについては「食べることが大好きで男の子みたいに活発な女の子。喜怒哀楽が激しいです」。作品については「沖縄の人たちはのんびりしていて、どんな時も明るく前向きで元気な人が多いので、ヒロインを通じて伝えていきたい」と話した。

朝ドラのヒロインが番組内で発表されるのは初めての試み。コロナ禍で記者会見ができないこともあり、異例の発表方法を選択した。沖縄を舞台にした朝ドラは、八重山諸島の小浜島を舞台にした「ちゅらさん」(01年前期)や宮古島が舞台の「純と愛」(12年後期)などがある。「ちむどんどん」のロケ地は沖縄県で、今秋に撮影開始の予定。

◆黒島結菜(くろしま・ゆいな)1997年(平9)3月15日、沖縄県糸満市出身。11年に沖縄企業のイメージガールオーディションに選出され、モデルとして活動。13年にNTTドコモのCMで注目される。ドラマ「花燃ゆ」「アシガール」、映画「オケ老人!」など出演多数。朝ドラは「マッサン」「スカーレット」に出演。映画「カツベン!」で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。162センチ。血液型A。