池上彰(70)が、日本や世界の重要なニュースをわかりやすくスタジオ解説するフジテレビのシリーズ特番「池上彰スペシャル!」では、12日午後8時から「なぜ?コロナ禍で独り勝ち! 世界の覇権を目指す中国の野望」を放送する。

尖閣諸島、新型コロナウイルス、ライブコマース…この3つのキーワードとともに、中国の用意周到な世界の覇権を奪いにいく野望について徹底的に分析する。

新型コロナウイルス確認から1年、強硬な海洋進出や食料外交、デジタル経済の急速な普及など、いま中国の動きが活発化している。「建国100周年を迎える2049年までに、我が国を社会主義現代化強国にする」と習近平国家主席(67)が描くシナリオの下、着々と動きを強める中国の野望を解説していく。

★序章「新型コロナの震源地・武漢から見る中国の今」

世界中が新型コロナの大打撃を受けた2020年、主要先進諸国の中で唯一、GDP(国内総生産)の伸び率がプラス成長を遂げたのが中国だった。

なぜ「独り勝ち」だったのか。その理由は新型コロナウイルスのクラスターが初めて確認された都市・武漢にあった。

ウイルスの抑え込みに成功したことをいち早く宣言して活気づく現在の武漢の街にカメラを向ける。そこから見えてきた中国復活のカギとは?

★野望<1> 世界の覇権を目指す中国 実効支配で海を制す

2010年の中国漁船衝突事件以来、日々絶えることなく中国船による尖閣諸島への接近が続いている。近年では、漁船に代わって「中国海警局」の公船が尖閣諸島に近づき、不穏な動きを繰り返している。尖閣諸島をめぐる中国の行動とその思惑の真意とは何か。

そして、この中国の新たなる脅威に日本はどのように対応しているのか。尖閣諸島周辺で日本の漁船に圧力をかける中国海警局の大型船と、その行動を阻むために出動した海上保安庁の巡視船が繰り広げる、緊迫の映像を公開する。

さらに南シナ海をはじめ、中国が実効支配を進める他の海域についても詳しく実情をひもとく。中国海軍が打ち出している「制海権構想」から、中国の今後の動きも予想する。

★野望<2> 世界の覇権を目指す中国 切り札は食料

2020年4月23日、オーストラリアのスコット・ジョン・モリソン首相(52)が新型コロナの起源について記者会見で「何が起きたのか、独立した調査が必要だ」と追跡する独自調査を求めた。この発言に中国はオーストラリアと対立路線をあらわにし、オーストラリア産の食料品に関税をかけるなどして輸入を制限した。

食料を外交カードに使い、他国に対し強硬な姿勢を取り続ける中国の動きを考察する。

また、中国全土で行われている食べ物の節約キャンペーン「光盤行動」による人々の生活の変化や、国内食料確保のため中国から日本海へやって来る違法漁船の実態などにも切り込み、意外な中国食料事情に迫っていく。

★野望<3> 世界経済を席巻。中国のデジタル戦略・ブランド戦略

世界経済が沈み込んでいく中、中国経済は独り勝ち状態にある。その大きなけん引力となっているのが、電子決済、ネット通販などのデジタル分野の強化が挙げられる。そして、パソコンや家電製品のブランド力の強化もその裏にある。

この中国2大戦略の最新事情を、現地での様子を交えて伝えていく。

まず取り上げるのは、中国の最もホットなビジネスモデルとして世界からも注目を集める「ライブコマース」。ライブ配信とネット通販を掛け合わせたその仕組みやヒットの要因を探り、ライブコマースを行う店舗がひしめき合う浙江省北下朱村、通称「ライブ配信第一村」に潜入し、そのケタ外れの繁盛ぶりを紹介する。

また、冷蔵庫や洗濯機といった白物家電の世界シェア1位を誇る中国企業「ハイアール」について踏み込んでいく。これまで粗悪品のイメージが強かった中国ブランドが、いかにして世界レベルにまで上り詰めたのか、その軌跡をたどっていく。

スタジオゲストには、足立梨花(28)、梅沢富美男(70)、ヒロミ(56)、かまいたち山内健司(40)とキャラクターと世代が別々の4人が登場。高島彩キャスター(42)が進行を担当する。