先週初めに足を捻挫した。ごく普通に歩いて、ちょっとしたくぼみに足を取られて踏ん張った。特に痛みはなかったのだが、夜寝て、朝起きると足首が1・5倍に膨れあがっていた。

病院に行ってエックス線撮影してもらうと、骨には異常なし。靱帯(じんたい)の損傷で「テーピングで固定して、レーザー照射で回復をうながすのが1カ月。その後の1カ月はストレッチをしながら、元の運動機能を回復させる」との診断だった。

1カ月+1カ月=イコール全治2カ月。なかなかの重傷だ。完治するのは5月中旬。足を使うのが商売のヨーロッパのサッカー選手だったら「今季絶望」。間に合うのはチャンピオンズリーグの決勝、5月30日の試合だけだ。

ジッとしていれば痛みはないので、最善の治療法はとにかく動くな。真っすぐ歩くだけならノープロブレムなのだが、ちょっとでもひねるとピリリと痛みが走る。

というわけで会社にお暇をいただいて、1週間ほど埼玉の実家に帰った。緊急出動を要請されないための休みで、やることは普段のリモート勤務と大して変わらない。インタビュー取材の録音を書き起こして、こまごました原稿を処理。あとはradiko(ラジコ)でラジオ番組を聞くか、スマホでYouTubeを見るだけだ。

ただ、普段と違ったのが、ゆっくりとテレビを見られたことだ。商売柄、テレビをチェックすることは多いのだが、朝昼のワイドショーやドラマが多い。新聞の締め切り時間が迫る夕方の報道番組を、じっくり見る時間を久しぶりに取れた。

先月中旬に、同じフジテレビ社内にいながら、榎並大二郎アナウンサー(35)のオンラインインタビューを余儀なくされた。コロナ禍なのでしょうがない。インタビューこそリモートだったのだが、その後の写真撮影ではカメラマンに指示を出すためソーシャルディスタンスを保ちつつ対面したのだが(笑い)。

その榎並アナが、キャスターを務める「Live News イット!」(月~金曜午後3時45分)をじっくり見た。榎並アナの相方を務める08年同期入社だったフリーアナウンサーの加藤綾子キャスター(35)は、入社前からフジテレビ関係者に「今度入る加藤というのはすごいのよ。“スーパー綾子”よ」と耳打ちされていたので、新人の時から注目していたが、男子アナは時間がかかる。慶大水泳部出身のイケメン、榎並アナも“女子アナ”の前では影が薄かった。

昨年秋まで、お昼の帯番組「バイキング」で坂上忍(53)に5年半にわたり鍛えられていたのは毎日のように、ずっと見ていた。その榎並アナは、報道番組に移って半年で大きな変貌を遂げていた。イケメンばかりが先行して、いじられていたバラエティー時代と別人のように、しっかりしたキャスターぶりを見せていた。話を聞いていても、記者としてためになることが多かった。

榎並アナは14年に、タイで反政府派デモを取材した際、ルックスが現地のSNSで話題を呼んだ。デモといっても穏やかなもので、群衆が広場に集まったところでは、歌や踊りが披露されフェスティバルのようなものだったという。

タイで人気になって、翌15年には、日本の観光庁からタイVJ(ビジット・ジャパン)観光特使に任命されている。榎並アナは「緩い雰囲気のデモの中に日本から飛んで、何かあったらいけないというので防弾チョッキ、ヘルメット姿で乗り込んでリポートしたのだから珍しくて話題になってしまいました」と苦笑いしながら説明してくれた。

タイといって思い出すのはタイ料理、ムエタイ、そしてニューハーフだ。そう榎並アナは、タイのゲイにモテモテだったのだ。記者がネタ元として30年近く通う東京・新宿2丁目のゲイバー周辺でも榎並アナの人気は高い。

これからもっと精進して、記者の過去の取材対象者で、新宿二丁目で最高の人気だった元プロレスラー小橋建太氏(53)を超える期待も大だ(笑い)。仕事でも、尊敬する先輩の伊藤利尋アナウンサー(48)を目指して、フジテレビを背負って立つ期待大だ。