千葉テレビ放送(チバテレ)は9日、開局50周年を迎える5月1日午後7時から、ドラッグストアチェーン大手「マツモトキヨシ」の創業者・松本清氏の生きざまを描いた記念ドラマ「チバケンのマツモトさん。」を放送すると発表した。

ドラマは「お客様を満足させることを1番に考えろ!」を合言葉に、型破りなアイデアで逆境を乗り越えてきた松本清氏の生きざまと、その意思を受け継ぎ1番にこだわり続けた人々を描く。妻の松本寿子氏を大塚寧々(52)、松本氏を長谷川朝晴(49)、次男で現マツモトキヨシホールディングス会長の南海雄氏を中村俊介(46)が演じる。

松本氏は、1909年(明42)4月24日に千葉県東葛飾郡湖北村(現我孫子市湖北)で生まれ、1932年(昭7)に松戸市小金に個人薬局「松本薬舗」を創業。陳列ケースに空き箱を並べる、ドラッグストアの陳列形態のベースを作ったほか、店頭で猿を飼い始めるなど巧みなプロモーション戦略を展開。51年4月には、自身の名前と店名を併せて覚えてもらおうと、店名を「薬局マツモトキヨシ」に改称した。

事業と並行して政治活動も初め、42年に小金町議に当選。47年には千葉県議に転じ、56年には第9代松戸市長に当選。2期目の在職中だった1973年(昭48)5月21日に心不全のため64歳で亡くなったが、任期中は無給勤務を行ったことが話題となった。1969年(昭44)には“お役所仕事”とやゆされる役所の業務の遅さを解消し、市民の要望を受けてすぐに処理するための全国初の部署「すぐやる課」を創設した。同課の初代課長に抜てきされた管財課の臼井銀次郎氏もドラマに登場し、小手伸也(47)が演じる。

「マツモトキヨシ」は創業者の遺志を継ぎ、87年には東京・上野アメ横に、米国のドラッグストアで学んだ明るく開放的な店舗をオープンさせて「マツキヨ」の名を不動のものとし、国内有数のドラッグストアチェーン大手に成長を遂げた。

放送は、チバテレで5月1日午後7時から同8時までと、8日の同時間帯での再放送が予定されている。また、チバテレ本放送から2週間限定で、チバテレYouTubeチャンネルで見逃し配信も行う。