新型コロナウイルスによる肺炎で女優岡江久美子さん(享年63)が亡くなってから一周忌を迎えた23日、娘の大和田美帆(37)と夫の大和田獏(70)らが中心となり「スマイル! 岡江フェスティバル~音楽とともに~」がオンラインで配信された。

獏はこれまで、メディアの取材を受けてこなかったという。亡くなった妻のことを語る気持ちにもなれないし、動揺していたので覚えていないこともあるという。

この日は、岡江さんが亡くなった時のことを初めて語った。

獏は昨年4月1日から、舞台の仕事で地方に行っていた。3日に岡江さんから連絡があり、発熱があったと知らされた。

獏は5日に帰京。岡江さんは我慢強く抱え込むタイプだったので、獏が医者に連絡し、6日に診察を受けた。「クリニックに行くと、肺が弱っているということでした。先生が奔走してくださり、4軒目で救急外来を受け付けてもらえることになり、車で連れていきました」。

検査の結果、入院しICUに入った。「付き添いもできない。書類にサインをすることぐらいしかできなかった。ICUに入る前、LINEで30分くらいやりとりできたんだけど、我慢強い彼女が珍しく、不安だと言っていました」。

獏も濃厚接触者にあたるため、自宅で誰とも会わず、過ごしていたという。美帆が食材を届けてくれたが、それも門のところまでだったという。毎日、病院から連絡が来るので、携帯電話を手放せない毎日だったといい、医師からは、かなり厳しい状態なので、覚悟をしておいてくださいと言われていたという。

「4月23日午前5時30分に電話がきました。5時20分に亡くなりましたとのことでした。1人だけ来ることができますと言われ、もう2週間はたっているので大丈夫なので、私が行きました」。

完全防備で対面したという。岡江さんはストレッチャーに乗せられ、顔の部分だけが見ることができた。

「慟哭(どうこく)とはこういうことなのだと思いました。何を考えていたのか覚えていません。お前、死んでもきれいだなと思いました。15分ほど寄り添ったかな。そのあと遺骨で戻ってきて、お通夜もできなかった。それからもつらかったけど、娘と孫の存在が大きかった。それと、妻のたくさんの友人が支えてくれました。感謝の気持ちを述べたいと思います」。