宝塚歌劇団の星組2番手スター愛月ひかるが1日、兵庫・宝塚バウホールで、20年ぶり再演の「ミュージカル・ロマン『マノン』」で、主演公演の幕を開けた。同ホールで12日まで。KAAT神奈川芸術劇場で7月22~28日を予定し、愛月にとって2度目の東上主演作。宙組から専科を経て19年11月に星組へ移って、初の主演作になった。

アベ・プレヴォーの「マノン・レスコー」をもとに、舞台を19世紀スペインに移してミュージカル化した同作。01年の花組公演で、瀬奈じゅん主演で上演された。以来、20年ぶりの再演で、貴公子然とした立ち姿でファンを魅了する愛月が、名門貴族の青年ロドリゴを熱演した。

将来を約束された青年貴族が、自由奔放なマノン(有沙瞳)と情熱的な愛に走り、破滅への道を進む悲恋もの。ある意味“宝塚王道”の作品でもある。

愛月は07年入団。2歳の頃から母のひざの上で宝塚を観劇し、宝塚を愛し続けてきた。入団後も、故春日野八千代さんが、後輩に説き、送り継いできた「品格」を最も大切にする。

下級生時代から「日頃の行いや服装、すべてが(品格に)つながっていく」と考え、自転車にも乗らないなど、徹底して極めてきた。その愛月が“王道作”に臨んでいる。