プロ野球の阪神、西武で通算474本塁打を放った「ホームラン・アーチスト」田淵幸一氏(74)が、エンゼルス大谷翔平選手(26)の打ち方を「でんでん太鼓打法」と名付け、絶賛した。

2日、TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食/一直線」(月~金曜午前5時)にゲスト出演。パーソナリティーの生島ヒロシ(70)から「スーパースター! 怪物! ショウヘイ・オオタニはどうですか」と聞かれ、田淵氏は「怪物以上じゃないの。4年目でこんなに成長するものかと。腕は違うわ、胸は違うは。なんで、あんなに飛ぶのかなって。私もホームランバッターだったけど、理論的なモノを覆すというか、もう1度考え直さなきゃいかんね」と答えた。

これに生島が「と言うことは、大谷の打ち方は理論通りじゃないんですか」と質問すると、田淵氏は「ああいうホームラン。日本で見たことありますか」と逆質問。「最初に見たのは、ソフトバンクの柳田(悠岐=32)ですよ。ふんぞりかえってね。昔のコーチだったら直されますよ」と時代によって、バッティング理論が変わっていることを指摘した。

田淵氏は大谷のすごさについて「まず体が柔らかい。軸がブレないでしょ。『でんでん太鼓』理論なんですよ」と言う。でんでん太鼓とは、棒状の持ち手がついた小さな太鼓の両側にひもがあって、その先には玉が結びつけてある。持ち手を高速で往復回転させることにより、玉が太鼓の膜に当たり、音を立てるという民芸玩具のこと。

「力なんか何もいらないんです。リーチが長いし、本来のストライクゾーンよりも倍以上のボール球をホームランにできる。もう一つ、子供の頃にライトに打つとボールが川に入るので、監督から『レフトへ打て』と言われ、最初から脇がしまって左方向へ打つことが身についているんです。だいたい我々の時代、45度に上がるのが普通のホームランバッター。今、(大谷は)28度くらいなんですよ。ライナーなんです。風なんか関係ないでしょうね」と話した。

二刀流の大谷のピッチングに関しては、元捕手の立場から「休みの時間も必要という警告じゃないの」とズバリ。「下半身が止まっちゃって。上体だけで、投げてましたね。コントロールが悪く躍動感がなかった。本来の“らしい”ピッチングじゃなかった」と今季最短の2/3回7失点で降板した6月30日(日本時間7月1日=ヤンキースタジアム)の試合を振り返っていた。