いよいよ明日23日が、東京オリンピック(五輪)開幕。競技経験のある著名人が選手たちへエールを送る五輪コーナー「Fight!! 2020」に登場するのは、タレント森末慎二(64)。1984年(昭59)のロサンゼルス五輪では男子体操で、金、銀、銅、3つのメダルを獲得した。その後も、芸能界進出、沖縄・宮古島移住と華麗なる転身のフィニッシュをビシッと決めたレジェンドが、24日から予選が始まる“体操ニッポン”のメダル獲得に当確を打った。

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森末は10年前に沖縄・宮古島に移住し、現在は天丼&居酒屋「みゃ~く商店」を経営。タレントや講演の仕事のある時に東京にやって来る。コロナ禍での五輪開催。森末は「コロナで移動も大変だけど、いよいよ東京五輪開幕!」と声を弾ませた。

84年のロス五輪では種目別の鉄棒で金、跳馬で銀、団体総合で銅と3種類のメダルを獲得した。翌85年に「五輪は1回で十分。夢はかなった」と現役引退。フジテレビ「笑っていいとも!」から出演依頼が来て、当時のアマチュア規定に抵触することから、務めていた紀陽銀行を退職してタレントに転身した。その後はキャスター、講演、後進の指導と活躍。“水のトラブル解決します”のクラシアンのCMキャラクターとしてもおなじみだ。

森末は今大会の注目選手について「鉄棒に的を絞った内村航平です」と明言。「08年の北京から4連続出場で“体操ニッポン”をエースとして引っ張って来たけど、今回は1年延期で種目別の鉄棒に的を絞ったことで、十分に金メダルを狙っていける。経験は十分ですから」。さらに「鉄棒で金メダルを取れば、僕以来37年ぶりになるんですよ。競技順が最後の鉄棒は、なんといっても体操の華ですからね」と自身に重ねた。

団体総合は前回リオ五輪で金メダル。今回は若手主体だが、森末は「代表の橋本大輝、谷川航、萱和馬、北園丈琉は五輪初出場ですが、ミスをせずに演技ができればメダルが近づいてくる。橋本と谷川は種目別でもメダルを狙える」と期待を寄せた。

無観客開催となるが「予選会も無観客でしたから支障はない。地元開催ですから選手たちには、力を出し切ってほしいですね」とエールを送っている。【小谷野俊哉】

◆森末慎二(もりすえ・しんじ)1957年(昭32)5月22日、岡山市生まれ。80年に日体大を卒業し、紀陽銀行入社。84年のロサンゼルス五輪で男子体操団体で銅メダル、種目別の跳馬で銀メダル、種目別の鉄棒で伸身後方2回宙返りを決めて、団体の規定、自由に続いて3度目の10点満点で金メダル。血液型B。