14歳ながら10年以上のキャリアを持つ女優田牧そら(14)にインタビューする機会があった。切り替え上手な性格で、日頃あまり落ち込むことはないという。

物心つく前からCMモデルなどを務め、仕事を始めた当時のことは「全く記憶にない」という若きベテラン。気になって「仕事を辞めたいと思ったことはないのか」と意地悪く聞いてしまったのだが、田牧からは「1日だけあります(笑い)」とカラッとした答えが返ってきた。

最終選考まで残ったオーディションに落ち、どうしても演じたかった役のチャンスを失った日のことで、田牧は「唯一へこみました」。ただ、眠ることで気持ちを切り替えられたといい「寝たら、いいや、次だ!って(笑い)。こんなのでくじけてたらダメだぞ、芝居好きだから諦めたら何もできなくなっちゃうぞって。もう次の日になったら、(明るい表情で)パ~ッっていう感じ」と振り返った。仕事を辞めることを考えたのはその日だけで、たとえ監督に怒られても「こんなに真剣に向き合ってくれている」と、プラスのエネルギーに変えているという。

ストレス発散法についても「寝るのと、食べるのと、泣くことです」と教えてくれた。泣くことについて掘り下げると「映画を見る時もあるんですけど、だたワーッて泣く時もあります。そうするとスッキリ。はいOK、寝よう!みたいな感じですね」。田牧によると、悲しいことを思い浮かべるでもなく、フラットな気持ちのままで泣けるという。特殊技能にこちらが驚くと「ね!不思議なんです」と、どこか人ごとのような返事が面白かった。

現在中学3年生。学業もおろそかにせず、「仕事がすごく楽しい。だから仕事を楽しんだ分、勉強も頑張らなきゃいけないという思いがあるんです」と話すしっかり者だ。フニャッと朗らかな笑顔の裏に、しなやかな強さを感じた。【遠藤尚子】