ホームレスや生活困窮者への支援を行うNPO法人「抱樸(ほうぼく)」の奥田知志理事長(58)が、「ホームレスの命はどうでもいい」などと発言をしたメンタリストDaiGoについて「引き受けようと考えています」と明かした。

奥田氏は16日、同NPO法人の公式サイトに掲載した文章で、DaiGoの発言をめぐる騒動に言及。「今回のDaiGo氏の発言は、命の尊厳そのものに対する否定であり、到底容認できるものではありません。また、この発言がさらなる偏見や差別、社会的排除、ついにはヘイトスピーチ、憎悪犯罪につながる恐れさえあるものだと危惧しています」とした。

DaiGoが13日に自身のYouTubeチャンネルでアップした謝罪動画内で、今後は奥田氏のもとで学ぶ意向を示したことについて、「抱樸としてもそれを引き受けようと考えています」と言及。交流のある脳科学者の茂木健一郎氏を通じてDaiGoと連絡を取った経緯なども説明した。

ただ、DaiGoを引き受けることについて「危惧する声も聞かれます」という。奥田氏は「本当の『学び』は知識を得ると言う事では全くなく自分のしてしまったこと、あり方を一旦否定することから始まると考えます。それを棚上げにして『学ぶ』ことは出来ません」とした上で、「DaiGo氏は、一旦ひとりになり、自分を見つめて欲しいと思います。そして今回傷つけた人々の痛みを全身で感じてもらいたいと思います。『学び』とはそういう事だと考えています。ですから、抱樸としては安易に『学び』の場所を提供し事柄を済ませることはしません。徹底的に自己批判していただき、厳しく自らと向かい合ってもらうための対話を重ねたいと考えています」とした。