上方落語の桂宗助改め2代目桂八十八(やそはち)の襲名披露公演が29日、大阪・サンケイホールブリーゼで始まった。全国5カ所で公演を開催する。人間国宝の桂米朝さん(享年89)の最後の直弟子で、師匠の俳名を引き継いだ。

口上には上方落語協会会長の笑福亭仁智、桂ざこば、桂南光、桂米輔、桂米団治らが登場し、激励とボケとツッコミが入り交じったはなし家らしい口上に会場はわき、トリでは八十八が晴れやかに高座を務めた。

ざこばは「宗助君とは、よく飲んだ。私はボロボロになるけど、宗助君は崩れない。八十八はええ名前、色気がある。八十八が大きなはなし家になりますように、よろしくお願いします」と深々と頭を下げた。

米朝さんの長男、米団治は「米朝が他界して6年になるが、昨年ごろから『八十八』をだれかにという話が持ち上がり、米朝の芸風を一番、受け継いでいる人がいいと。心から喜んでいる。新しい八十八の名跡を大きくしていただきますように」とお願いした。

トリで八十八は「まだちょっとも慣れません。楽屋入りと同時に名前が変わり、八十八さんと言うてもらったのですが、なんか自分のような気がしない」と照れ笑い。高座では米朝さんの十八番(おはこ)「はてなの茶碗(ちゃわん)」を披露した。米朝さんをほうふつとさせる端正な語り口で客席をわかせた。