漫画家・尾田栄一郎氏(46)の漫画「ONE PIECE」の100巻が3日、発売された。漫画誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1997年(平9)7月22日に連載がスタートして、24年での大台到達となった。

3日付の朝日新聞、読売新聞、毎日新聞の朝刊には、100巻発売と長きにわたり支持し続けてくれた読者への感謝の気持ちを込めた全面広告を掲載。そこには、尾田氏が作業場で筆を走らせる写真に加え「物語は終盤です。」という決意の言葉が記された。

「ONE PIECE」はゴム人間になった少年モンキー・D・ルフィが海賊王を目指し、海賊団“麦わらの一味”を率いて、海賊王ゴール・D・ロジャーが残した“ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)”を求めて航海する物語。11年11月発売の64巻で400万部、12年8月発売の67巻で同405万部と、初版発行部数の日本記録を更新し続け、21年7月19日の99巻発売中の累計発行部数は4億9000万部を突破。日本を代表する少年漫画だが、連載開始から24年で親から子へと読者層が広がる、日本屈指のコンテンツとなった。

今年1月4日発売の同誌で連載1000話を迎えたことを受けて同日、原作者の漫画家・尾田栄一郎氏は、1000話記念プロジェクト特設サイトに直筆のメッセージを寄せた。

「やーもー 色んなことがありすぎた23年でした。僕の人生の半分が週刊連載。笑 ルフィ達もいくつもの島へ航海し、いくつもの冒険をしてきました。出会った人たちの数はもうわからない!その裏で僕も、たくさんの人たちに出会い、家族を始め数えきれない人たちによって支えられてきました。いろんな人たちに頭があがりません」

「読者にも忙しい人生があり、『読者は5年で入れ代わるもの』それが長期エンタメのセオリーです。だから僕は読者をあまりファンと呼ばないようにしてました。いつか去っていく人達だと自分に言い聞かせてたからです。『おごるな』と。」と持論をつづった。その上で「なのにその考えが恥ずかしくなるほどに、皆さんがルフィを信じてくれるから、僕も皆さんを信じて、好き勝手に漫画を描いてこれました」

尾田氏は、ファンへの感謝の思いをつづるとともに、物語の現状についても説明。

「冒険はここへ来て、最終章に片足をつっこんでます。1000話もやってしまった、だけど、1000話やったからこそできる、面白すぎるストーリーがあるのです! あるのですよ!! なんやかんやで今ご縁のある世界中のONE PIECEファンの皆様! 長いお話になりましたが、もう少しの間、ルフィたちの冒険をどうか見守ってやってください!!」(コメントは原文のまま)

尾田氏は1000話の段階で、物語が最終盤に向かっていることを認めているが、コミックス100巻到達を受けた「物語は終盤です。」のコメントは、その事実を追認する格好となった。