俳優桐谷健太(41)が17日、「京都国際映画祭2021」で、国際的な活躍が期待される俳優を表彰する三船敏郎賞を受賞した。

よしもと祇園花月で開催され授賞式では、同映画祭のアンバサダーを務める倉科カナからトロフィーを手渡され、「おめでとうございます」と祝福されると、笑顔が弾けた。

司会の木村祐一からは「それでは受賞されました桐谷様。まずは1曲を」と振られると、「1曲!?」と驚きながらも、一呼吸置くと「海の声」をアカペラで披露し、「すごくうれしいです。心からありがとうございます」と喜んだ。

三船敏郎賞は14年から同映画祭で授賞式が行われ、これまで役所広司、仲代達矢、阿部寛らが受賞している。今年、桐谷は故黒澤明監督と故三船敏郎さんが初めてタッグを組み、公開された映画「酔いどれ天使」(1948年)を原作にした舞台で、三船さんが演じた松永役に挑戦。舞台で見せた迫力ある演技が受賞理由になった。

5歳のときから役者という仕事に憧れていたが「どうやったら役者になれるのか。その強い思いだけがどんどん拡大し、体の表面を越えて表情に出たんでしょう。たくさんの人から『すごい目がギラギラしている』『すごい眼力』と言われ、何人かの人に『お前の眼光は往年の三船敏郎みたいやな』と10代のころに言われた」とエピソードを明かし、「一方的に三船さんに親近感を感じていた」としじじみと話した。

「この賞をいただいたことで、これから日本でも世界でも活躍して人の心を震わせ、感動を与えられるような役者に、俺はなる!」と宣言した。

また、日本映画の発展に貢献した人物に贈られる牧野省三賞は、「全裸監督」の武正晴監督が選ばれた。武監督は「映画の発祥の地である京都でこんなにすばらしい賞をいただくことは想像していなかった」と喜び、「この賞を1つのエネルギーにして、映画というものにこだわって、作っていきたい」と意気込んだ。

お笑いなど多様な文化を融合させた「京都国際映画祭」は今年で8回目となり、11日から京都市内各地で開催され、17日に閉幕した。