舞台「千と千尋の神隠し」(来年3月2日から、帝国劇場)の制作発表会見が9日、都内で行われ、演出のジョン・ケアード氏が意気込みを語った。

「レ・ミゼラブル」初演の演出などで知られるケアード氏は、ダブル主演で千尋役を演じる橋本環奈(22)、上白石萌音(23)らキャスト陣を見て「映画のキャラクターよりカラフルな人たちが集まっている。楽しいということは保証できる」と自信をみせた。

スタジオジブリ作品の大ファンで知られ、自ら宮崎駿監督、鈴木敏夫プロデューサーに舞台化を願い出た経緯を披露。「絶対舞台になると常々思っていた。鈴木さんも宮崎さんも絶対いいとは言わないだろうと思ったら、鈴木さんが『いいよ』『どうやってやるの?』と言ったので、やらなきゃいけないとパニックになった」と笑った。

宮崎作品は、NHK「未来少年コナン」(78年)からすべて見たという。「未来少年コナン、トトロ、ナウシカなど、素晴らしい話ばかり。環境のことや、女性と男性の平等など、ストーリーの中にすごい知的で高貴なテーマを抱えている」。また「宮崎さんのいちばんすごいのは、子どもの心の中に入り込むことができること。その才能というのは、ディケンズ、アンデルセン、キャロルに並ぶ」と絶賛した。

映画の世界観をどう舞台で表現するのかに注目が集まっている。ケアード氏は「竜がいるし、オクサレ様、カオナシ、鳥や川などいろいろなイメージがある。映画のまねではなく、観客と同時進行でシェアする劇場ならではのものを大事にしたい」。司会者から「カオナシはどう表現しますか」と聞かれると「教えると思う?」と大笑いしていた。

この日は、ハク役の醍醐虎汰朗、三浦宏規、カオナシ役の菅原小春、辻本知彦、リン役の咲妃みゆ、妃海ふう、釜爺役の田口トモロヲ、橋本さとし、兄役・千尋の父役の大澄賢也、湯婆婆役の夏木マリ、朴■美も登壇し、意気込みを語った。

※■は王ヘンに路