プロ野球の日本シリーズは、ヤクルトが対戦成績4勝2敗でオリックスを破り、20年ぶり6回目の日本一に輝いた。接戦の連続で見応えある日本シリーズだった。米大リーグでは、エンゼルスの大谷翔平(27)が投打の二刀流でMVPを獲得した。日米の野球がコロナ禍でも壮快な気分にさせてくれた。

そんな大谷を祝福と感謝の思いを込めて似顔絵にしたのが、歌謡界の似顔絵画伯で知られる歌手川野夏美(41)だ。すし職人のいでたちの大谷が「へい おまち!MVPだよ!」と握りすしを差し出すシーンを描いた。背後の壁のネタ一覧に「MVP」や「ホームラン」「最多勝」などがかかっているのも面白い。

川野は「(コロナ禍など)こんな時代に、夢と希望でワクワクさせてくれる大谷翔平さん!MVP本当におめでとうございます」とコメントしている。

幼いころから紙と鉛筆があれば朝から晩まで絵を描いて過ごしていた。歌手となり、遊びで身近なスタッフの似顔絵を描いたところ思いのほか喜ばれ、あらためて描くのが楽しくなったという。画法は「とにかく自分勝手に!面白がって描くこと」だそうだ。最近は「妄想似顔絵シリーズ」にはまっている。「もし五木ひろしさんがキックボクサーだったら」「もし鳥羽一郎さんが赤ずきんちゃんだったら」などと妄想して似顔絵にしている。

大谷も過去に「もしも大谷翔平さんが戦国武将だったら」や「もしも大谷翔平さんがお寿司を握ってくれたら」を描いた。MVP獲得後に描いた作品はそのおすしの特別バージョン。

似顔絵は他にも大月みやこ、天童よしみ、三山ひろしらの歌仲間だけでなく、黒柳徹子、小堺一機、山田邦子、渡辺直美ら多数描いている。「個展を」と夢見ていたが、コロナ禍で現在は所属する日本クラウンミュージックの公式ホームページ内で「似顔絵展~かおだらけハート~」と題して公開している。

本業の歌手は来年11月に25年目を迎える。節目に向けて、今は道ならぬ恋を歌う新曲「想い千すじ」で頑張っている。25周年の記念イベントの1つとして「個展も開ければうれしいです」と語る。ぜひ記念コンサートと個展をセットで開催してほしいものだ。【笹森文彦】

◆川野夏美(かわの・なつみ)本名・川野陽子。1980年(昭55)7月25日、大分県津久見市生まれ。北島三郎、鳥羽一郎らが所属する日本クラウン創立35年記念アーティストとして98年11月21日に「あばれ海峡」でデビュー。「悲別~かなしべつ~」「霧雨海峡」「寒ぼたん」などヒット。趣味は散歩、長風呂。身長161センチ、血液型O。