原田眞人監督(72)がメガホンを取った映画「燃えよ剣」(原田眞人監督)が第34回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞(日刊スポーツ新聞社主催、石原音楽出版社協賛)で石原裕次郎賞に輝いた。同賞には300万円が贈られる。

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原田にとって3回目の石原裕次郎賞。「映画人の賞。3回目はハードルが高いと思っていました。名誉ある賞に選んでいただき感謝しています」と喜んだ。「トップスターで優しさがある。映画への夢をいっぱい持っていた」と、裕次郎さんへの尊敬を語った。

「燃えよ剣」映画化の思いは、監督になるずっと前から、実に50年以上持ち続けてきた。「思いの長さも含め、僕の中の”この1本”」と言い切る。岡田については、撮影前に予想していた「映画史上最高の土方歳三」を超え「刺激を受け、毎日興奮していました」と振り返った。

スクリーンで映画を見る喜びを再認識する作品になった。原田監督は「そういう作品を作り続ける最後の1人になるまでやる」と語った。すでに新作に取りかかっており、創作意欲はますます高まっている。【小林千穂】

選考経過・石原裕次郎賞 「シリーズのボルテージが落ちていない」(寺脇研氏)と「るろうに剣心」を推す声と「意志を貫いた若者たちを描いた」(安藤涼子氏)「岡田准一に時代劇で賞を」(石飛徳樹氏)と「燃えよ剣」を推す声があり、2回目の投票で「燃えよ剣」が過半数を得た。

◆原田眞人(はらだ・まさと)1949年(昭24)7月3日、静岡県生まれ。79年「さらば映画の友よ」で監督デビュー。「クライマーズ・ハイ」「日本のいちばん長い日」で石原裕次郎賞。「わが母の記」ではモントリオール世界映画祭審査員特別グランプリ。社会派、家族ドラマ、時代劇と手掛けるジャンルは幅広い。米映画「ラストサムライ」には俳優として出演。

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◆燃えよ剣 司馬遼太郎氏の同名小説が原作。たぐいまれな剣の腕を持った土方歳三(岡田准一)は、武州多摩から、近藤勇(鈴木亮平)、沖田総司(山田涼介)らと京都に向かい、新選組として活動する。時代が大きく動く中、土方の苦悩や貫いた信念を描いた。