宝塚歌劇の月組公演「今夜、ロマンス劇場で」「FULL SWING!」が1日、兵庫・宝塚大劇場で開幕し、トップ月城かなと、トップ娘役海乃美月による新コンビが本拠地お披露目を迎えた。

開幕を控えた昨年12月30日には、同劇場で最終の通し稽古で仕上げていた。 芝居は、綾瀬はるかと坂口健太郎で18年に公開されたヒット映画「今夜、ロマンス劇場で」の舞台化。月城は助監督の牧野健司を等身大で演じ、海乃はモノクロ映画から飛び出したお嬢さまにふんし、芝居巧者コンビの持ち前の技量を発揮した。 月城は、開幕前のインタビューで、新生月組を率いる手応えを語っていた。 「映画のスクリーン、白黒の世界から飛び出してくるヒロイン。舞台でどう見せていくのか-など課題があったんですが、話の流れはとってもシンプルで、(ファンタジー要素は)とても宝塚らしい、登場人物がすごく前向きで、月組が新しくスタートする今、この作品をやる意味を感じてもらえると思う」 星組トップ礼真琴、花組トップ柚香光は同期。下級生時代から各組で注目された「花の95期」から3人目のトップに就き、2022年の初日に、本拠地お披露目の舞台に立った。芝居の演出は、漫画や映画原作を手がけることに定評のある小柳奈穂子氏。プレお披露目となった昨年の「川霧の橋」に続くタッグになり、全幅の信頼を置く。 「映画のイメージはそのままに、加えて未来へのエネルギーも感じてもらえるんじゃないか」。上演を重ねていくうちにまだまだ作品は進化しそうだ。 ショーは全編ジャズをテーマに、作・演出は三木章雄氏。落ち着いたクラシカルな“美”が特長の月城、大人っぽいイメージが強い海乃の個性にあわせ、ストーリー仕立てで進む。 月城は「こういう宝塚、久しぶりに見たかも? と思ってもらえるんじゃないか」と言い、稽古を重ねてきた。 実力派の鳳月杏、下級生時代からスター性が注目されていたダンサーの暁千星、新人時代から抜群の演技力を誇る風間柚乃と、多彩なスターがそろい、新生月組が新年初日に船出を迎えた。【村上久美子】