昨年大みそかに放送された「第72回NHK紅白歌合戦」の歌手別視聴率が4日、分かった。

関東地区では大トリを飾ったMISIA(43)が藤井風(24)と「Higher Love」をデュエットした午後11時39分に39・2%を記録。番組全体では、MISIAが歌唱後に「来年こそ皆さんにとってすばらしい年になりますように、明日への思いを込めて歌いました」と伝えた午後11時42分の39・3%が最高。20年は嵐が47・2%を記録しており、7・9ポイント下回った。

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1位となったMISIAは、20年も大トリを務めたが3位だった。トリの福山雅治(2位)、YOASOBI(10位)が2年連続でベスト10にランクイン。氷川きよし、布袋寅泰、石川さゆりなど番組後半の午後11時台に登場したアーティストが高視聴率を獲得した。番組を通して後半に視聴率を伸ばしたことがそのまま歌手別視聴率に反映されたとみられる。

20年からアーティスト1人あたりの歌唱時間が増えている傾向もあり、視聴者がそれぞれのパフォーマンスを最後まで見届けることができるようになった。その結果、番組を通して多少の上下はあるものの、安定して後半に向けて数字を上げた。番組全体の演出という観点では一定の成果といえるが、昨年の嵐のように、番組中盤でも高視聴率をマークする“目玉”不足だったという見方もできる。

一方、「エヴァンゲリオン」企画で「残酷な天使のテーゼ」を歌唱した9位の高橋洋子は、午後9時台で唯一のランクイン。改めて根強い「エヴァ」人気を示した。